経理アウトソーシングのメリットデメリットを徹底比較!2021.03.11

経理アウトソーシングの国内市場は徐々に増加傾向にあり、現在でも多くの会社が経理アウトソーシングを検討しています。
そこで、経理アウトソーシングのメリットとデメリットを明確にし、どのような活用方法が企業にとって効果的で、導入にあたりどのような点に注意したらよいのかを考えてみたいと思います。

経理アウトソーシングのメリットは?

経理業務はどんな企業においてもルーティーン作業が多いために企業においてもアウトソーシングしやすい分野でもあります。
では、経理アウトソーシングのメリットを具体的に考えてみましょう。

コア業務に集中できる

経理アウトソーシングの最大のメリットは、「社員が自社のコア業務に集中できる」ということにあるでしょう。

企業は本業の利益や、目的を達成することが最重要(=コア業務)です。
そのため、社員のどれくらいの時間がそのコア業務に集中できるのかというのは企業の根幹となるものです。
しかしながら、どんな企業でも経理の業務は必須です。どうしても社員の時間を割く必要がありますが、経理アウトソーシングを活用することで、多くの社員が本業に集中するための時間を確保しやすい結果となり、全体として業績の向上を期待することができます

人材採用の手間・コストが省ける

会社が正社員を採用する場合には、求人掲載費用や人材紹介などの「採用コスト」が発生します。他にも、社員にかける教育費、福利厚生費、賞与、退職金などを考えると社員1人の採用には相当な金額がかかるということがわかります。

経理アウトソーシングは、充分なスキルを持つ経理の専門家に業務を任せることが可能です。また、ランニングコストが計算しやすいという点も大きなメリットです。

会社で経理担当を正社員で雇用すると、退職する際の引継ぎや新しい人材の採用、教育など会社の負担がどうしても大きくなります。この点、経理アウトソーシングを活用することでその負担を軽減することができます。

繁忙期・閑散期に振り回されない

経理は繁忙期と閑散期がはっきりしている業務です。

特に決算業務については「決算日から2ヶ月以内に完了しないといけない」というルールが決まっているため、3月決算の会社であれば4月、5月は最も忙しい時期になります。
また、年末調整の業務がある12月はどんな会社でもやや忙しくなる時期だといえます。会社によっては他部署から人員を回して対応するということもあります。
経理アウトソーシングに外注していれば、忙しい業務を先に予測して動いてもらうことができますし、業務量の増減に応じた委託ができるため、企業としても繁忙期・閑散期に振り回されなくなります。

不正やミスがなくなる

経理アウトソーシングでは、経理のプロに業務を任せることができるため、社員の不正や人的ミスを防ぐことができます。
第3者が介入することで改ざんや横領のリスクを軽減できることも大きなメリットです。
経理業務は法改正によりルール変更なども度々発生しますが、それに応じた迅速な対応を期待することができます。

経営者の視点で考えると、自社の現状や数値を素早く正確に把握できることは非常に重要です。
仮に数字が違っていると、経営判断に大きなズレが発生してしまいます。また、数値の入力が遅延していると、そもそも経営判断ができないということになります。
特に決算期などでは、「利益がどれくらい確保できるのか」「節税対策を検討する必要があるのか」というのは短い時間で的確に判断する必要があります。
そのため、経理の数字ミスがなくリアルタイムで自社の状態が数字化されているということは非常に重要なのです。

他社のノウハウを反映した業務フローを設計できる

経理アウトソーシングは、経理業務プロセスの効率化やそれまでの経理ルーティーン業務を短縮化することができる可能性もあります。
重要な数値やデータを扱う経理部は、ブラックボックス化しやすいという傾向があり、企業によっては非効率な業務をしている可能性もあります。
経理アウトソーシングを行うことで、その業務を見える化させることができ効率的な業務フローを再設計できるかもしれません。

経理アウトソーシングのデメリットは?

では、逆に経理アウトソーシングすることのデメリットは何でしょうか?そのデメリットをまとめて考えてみましょう。

経理業務のノウハウが社内に蓄積されない

経理アウトソーシングを行うことで、会社外部の担当がその業務を行うことになります。
そのため、自社の社員が経理のノウハウを学ぶ機会が減り社内だけで業務を回すのが困難になる可能性があります。
将来的に経理担当を社内で抱える必要がない場合には問題ありませんが、これは経理アウトソーシングを行うデメリットだといえます。

代行会社へのコストがかかる

アウトソーシング先によって料金形態は異なりますが、委託内容によっては通常の外注費だけでなく、急ぎの仕事を依頼した場合にはそれに応じた金額を支払わなければならない可能性があります。

場合によっては社内で雇用するよりも高額になる可能性もあります。そのため、経理アウトソーシングをする場合には、費用シミュレーションを行い、契約内容などをしっかり確認することが重要です。

外部委託の際引継ぎの手間がかかる

前述したように、多くの企業では経理担当が独自の方法で業務を行っているケースもあり、そのことを経理アウトソーシング先の担当者に引き継ぐ場合には、やや手間がかかる可能性があります。
経理アウトソーシング委託先では、他にも多くの業種の会社などの経理を行っているためノウハウを蓄積しています。それを取り入れて改善するには非常にいい機会となりますが、ある程度余裕を持って引継ぎの時間を確保すべきでしょう。

タイムラグが生じる可能性がある

急ぎの経理処理が発生してしまった場合には、経理担当が外部であるとすぐに対応してもらうのが難しいというケースも稀にあるかもしれません。 こうしたケースが発生した場合の対応策はあらかじめ考えておく必要があります。
経理アウトソーシング先の委託会社と普段からコミュニケーションを取り、情報の共有化をしておくことで、こうしたタイムラグが生じてしまう予防が可能になるでしょう。

セキュリティのリスク

経理アウトソーシングでは、自社の重要なデータを外部に預けることになります。そのため、委託先のセキュリティ対策は非常に重要です。
委託先だけではなく、データを送る担当者もリテラシー教育を行い、データの暗号処理を行うなどの対策を行うようにしましょう。

メリットデメリットの比較|実際のところどうなのか?項目別に徹底比較

ここまでで、経理アウトソーシングのメリットとデメリットを明確にしてきました。ここからは自社で経理を行う場合と、経理アウトソーシングをする場合を徹底比較してみましょう。

コスト

経理アウトソーシングを行った場合には、ほとんどの企業がコスト削減を実現しています。

自社で経理担当を採用する場合には、人件費・教育にかかる費用・採用のための広告費・福利厚生費・賞与・退職金などを考えて採用しなければなりません。
確かに経理アウトソーシングは外注費用がかかりますが、総合的に考えるとコストを減らすことができる可能性があります。

引継ぎなどの手間

仮に自社の経理担当が退職するような場合には、新たに人員を確保し引継ぎをしなければなりません。
その場合には再度教育を行う必要があり、また業務に慣れるまでには時間も必要です。
経理アウトソーシングであればそうした手間がかからず、企業としてはそうしたリスクを負うことなく業務に集中することができます。

業務効率・スピード

経理アウトソーシングで最も重要になるのが「費用対効果」です。
アウトソーシングの活用では経理に精通した専門家に一任できるため、経理においての業務効率とスピードにおいて優れた効果が期待できるでしょう。

前述しましたが、税法などの改正などの対応は自社の経理担当がスピード感を持ってスムーズに行うのはなかなか難しいのが現状です。経理の専門家であれば、そういった情報も収集しやすく、事前に対策を立てることができるのです。

メリットを最大限活用するために抑えておきたいポイント

ここまで、経理アウトソーシングの有利な点が明確になってきましたが、どんな委託先が最も効果的に活用できるといえるのでしょうか。
ここからは「アウトソーシング先はどのようなポイントで選ぶのがいいのか?」ということを考えてみたいと思います。
経理代行会社の見極めは非常に重要な点です。なぜなら、経理アウトソーシングをする委託先とは将来的に継続してお付き合いをする可能性があるためです。

業務実績を確認する

委託会社の選択肢も増えてきているため、まず確認したいのが業務実績です。

特に同種の会社の実績などを確認するようにしましょう。
なぜなら、その業種の経理を取り扱った実績があれば、その分野においてのノウハウを委託会社が蓄積していることになります。つまり、自社の業務効率化に非常に期待が持てるということです。

また、自社の規模や経理アウトソーシング先の規模が合っているかということも検討しましょう。
有名な委託会社であると、会社の規模によって契約できないというケースも考えられます。

業務内容とコストを明確に

経理アウトソーシングの業務内容には、単純な経理業務から給与計算・税務申告・財務・人事など多岐に渡ります。そのため、経理アウトソーシングの業務内容を明確に伝えることができないと、後々のトラブルになる可能性もあります。

そのため、まずは自社の業務の洗い出しを行い、「どこからどこまで」を委託したいのかを委託先に明確に伝える必要があります。
経理の仕事は繁忙期と閑散期、業務量などがある程度明確にできる分野の仕事だといえます。年間を通じてどれくらいの仕事量があるのかを把握することから始めましょう。

その上で、その内容を基に委託先から見積を作成してもらい、検討に入るようにしましょう。

すぐに相談&スピーディーに対応してくれる体制があるか確認

デメリットの部分でも触れましたが、経理担当が外部であるということは急ぎの経理処理が発生してしまった場合にサポート体制があるかどうかが非常に重要です。

例えば、委託先の担当者が休日であった場合の対応などがこれにあたります。委託先がチームで業務を行っているかどうかなど、緊急の案件にしっかり対応してくれるかどうかという点は確認しておきましょう。

セキュリティ対策が万全であるか

経理アウトソーシングでは、情報漏洩やデータの紛失などが大きなトラブルに発展する可能性があります。そのため、委託先のセキュリティ対策をしっかりと確認するようにしましょう。

「データの暗号処理」「データの監視」「データのバックアップ」などの基本対策はもとより、損害賠償項目を含む秘密保持契約などがあるのかという点をしっかりと確認しましょう。

さらには、担当者のセキュリティ意識の強さも重要な確認事項です。日常的な業務への取り組みやリテラシーの高さを確認しておくいいでしょう。時には、自社のセキュリティが甘い際などに適切に指摘してくれるような関係性が最も望ましいといえます。

まとめ

経理アウトソーシングの活用は、企業が抱えているさまざまな課題を一気に解決する可能性もあります。

経理アウトソーシングを依頼する際には、自社にとって最も良い委託先を選び効果を最大限に発揮するため、メリットとデメリットを把握したうえで、比較検討をしましょう。

Bricks&UK Outsourcingは、経理アウトソーシングが陥りがちな失敗や他社の状況を熟知したうえで、企業様が最大のメリットを享受できるようご支援します。 詳しい内容やご相談などがあればぜひご相談ください。

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