経理アウトソーシングにむいている業務とむいていない業務とは?2021.03.04

経理のアウトソーシングに向いている業務

【この記事の監修者】 株式会社Bricks&UK Outsourcing業務コンサルタント
経理の業務設計・運用に優れたコンサルタントが、効率的で正確な業務請負いをお約束します。

経理アウトソーシングの現状

近年、様々な理由から、「バックオフィスのアウトソーシング」を活用する会社が増えているようです。
その中でも特に注目されているのが「経理」のアウトソーシングです。
弊社で経理アウトソーシングをご依頼いただく中で、一番多い相談が「経理の担当者が突然やめてしまった」というお悩みです。
気軽に転職ができる時代なので、以前のように「うちの経理はずっと変わらず○○さん」なんていうことが難しくなってきました。
そこで、人件費よりも安く、プロに任せられるというメリットを感じて、経理のアウトソーシングの需要が増えているようです。

「経理業務をアウトソーシング」する、なんていうことは本当に可能なのでしょうか?

実際に、経理のアウトソーシングを利用している会社が、依頼している業務のランキングは、下記のようになっています。

経理のアウトソーシング業務のランキング

  • 1位:振込代行
  • 2位:請求書発行
  • 3位:売掛金消込
  • 4位:資金繰り表の作成

その他には「納品書データ入力」や「在庫管理表の作成」などを依頼している会社もあります。

少し前まで、経理は社内に置くものという認識が根強かったものの、コロナ禍でのテレワークの需要増加インターネットバンキングの普及などにより、経理をアウトソーシングするということが特別なことでも、難しいことでもなくなってきました。

例えば、上記のランキング1位の「振込代行」ですが、昔は月末になると経理が通帳をもって銀行に行き、振込手続きを行っていました。通帳の記帳や納税のためにも銀行に行く必要があるので、「経理の仕事=銀行に行くこと」なんていう認識の社長もいたくらいです。

今では、請求書のやり取りはPDFにして共有し、それをもとにネットバンキングを設定、社長は支払内容の確認をして、承認ボタンを押すだけ、なんていうことが可能です。
振込だけでなく、様々な業務において経理が社内にいる必要性というのはなくなってきたのかもしれません。

経理アウトソーシングの業務

アウトソーシングに向いている業務

経理の仕事を想像すると、非常に幅が広いですが中には「アウトソーシングに向いている業務」と「向いていない業務」があります。
経理のアウトソーシングに向いている業務は一言でいうと「判断のいらないルーチン業務」かつ「繁忙期が存在する業務」ということになると思います。

例えば、請求書の郵送業務。
誰が行っても同じ相手先に届きますが、主に月初に請求書の発行を行う会社が多いのではないでしょうか。

月初のためだけに人を採用するのはもったいない、でも社長や営業が自分でやるには生産性が低すぎる・・・。
こんなお仕事を経理のアウトソーシングとして依頼をすると、自社で人を採用するよりも、かなりのコストカットになります。
人件費だけでなく、採用コスト、社会保険料、さらには机や備品などの経費も掛かりませんのでとても上手に経理アウトソーシングを依頼出来ている例と言えます。

アウトソーシングに向かない業務

一方、経理のアウトソーシングに向いていないといわれる業務は大きく二つです。

1.経営判断にかかわる業務
2.現金や通帳を直接扱う仕事

「経営判断にかかわる業務」とは営業予算の策定や、投資計画の作成などの業務が含まれます。
経理アウトソーシングの会社は経理マンとしてのスキルは持っていますが、社外での作業を基本とするため、社内の営業状況の把握や、現実的な数字を把握することが難しくなります。

「経営」に関する課題解決の時間を取るためにも、単純作業は外部に委託するなど、アウトソーシングサービスを上手に活用するのが良いかと思います。

「現金や通帳を直接扱う業務」とは、社内にある小口現金や通帳の管理が挙げられます。
これは1円単位で管理を行い、頻度も高いので面倒だと感じる人も多い業務と言えます。

ただし面倒だからと言って、外部にアウトソーシングをしてしまうと、金額が合わなかった際に責任が明確化しにくくトラブルになりやすい業務です。

アウトソーシングはしにくいけど、面倒なことに変わりはありませんので、できればなくしていきたい業務の一つですよね。
そこで、「社内の現金をなくしてしまう」というのも一つの手かもしれません。

例えば、毎日少額の立替金を小口現金から精算をしているところ、1か月に1回、立替金を振込することにより、社内に現金を置かない方法です。

そうすることにより、毎日現金を合わせるという仕事もなくなり、バックオフィス業務のコスト削減にもつながります。

もちろん、上記1、2の業務がアウトソーシングできないわけではないですが、 専門性を持った人員を配置しなければいけなかったり、訪問によって業務を行わないといけなかったりするのでアウトソーシングのコストが大幅に増えてしまうことが予想されます。

まとめ

経理のアウトソーシングを最も効果的に活用するには、「月初や月末に偏る業務」かつ「経営判断を伴わないルーチン業務」を依頼することがメリットが大きいといえます。
もし、

  • 忙しくない時期は、経理が暇そうで時間がもったいない・・・
  • 経理担当が定着せずに困っている
  • バックオフィスのコストを削減したい

等の理由で、経理のアウトソーシングを検討しているようでしたら

「どんな業務をアウトソーシングするか」ということもぜひ考えてみて下さい。

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