経理担当者が突然退職したらどうなる?生じるリスクとその防止策2021.05.28

経理担当者の退職

経理担当者は、請求書の発行や預金口座の管理、給与計算など、会社の重要な業務を行っています。経理業務を1人の担当者に一任している場合は非常にリスクが高い状態です。その経理担当者が突然退職すれば、経理業務に大きな支障をきたす恐れがあります。経理担当者が突然対策しても問題ないように、リスク対策をしておきましょう。

ここでは、経理担当者が突然対策した際のリスクとその防止策、経理アウトソーシングという選択肢について詳しくご紹介します。

突然の退職にも困らない!リスク防止の3つの方法

3つのポイント

経理業務のマニュアルを作っておく

ハイレベルな経理担当者が突然退職すると、残った経理担当者で業務をカバーすることになります。各担当者の負担が大きい状態が長く続くとミスに繋がるため、一刻も早く経理担当者を採用しなければなりません。
しかし、経理担当者を採用しても、経理業務の進め方や同僚が教える時間がなく、十分な戦力になるまでに時間がかかる場合があります。 あらかじめ、経理業務マニュアルを作成しておけば、経理業務の進め方を指導する時間を削減できると共に、戦力になるまでの時間を短縮できます。

1人にすべてを任せない

経理担当者が突然退職した際に困るのは、1人にすべての経理業務を任せていた場合です。業務の進め方や使用していたデータなどが不明なために、次の経理担当者が速やかに経理業務を遂行できなくなります。そのため、経理業務および経理データを複数人で共有し、誰が退職してもカバーできる体制を整えることが重要です。
また、能力開発を目的に異動や職務の変更を定期的に行う「ジョブローテーション」も欠員対策になるでしょう。あらゆる部署の欠員を臨時で補える人材を育成することは、突然の欠員に対するリスクヘッジになります。

経理業務をアウトソーシングする

退職リスクへの対策として、経理業務のアウトソーシングも有効です。経理業務の専門業者に一任していれば、経理担当者の突然の退職を危惧する必要がありません。
また、退職者が出る度に他の経理担当者の負担が増大し、ミスのリスクが高まることもないのです。経理アウトソーシングについて詳しくは、最後の章で解説します。

経理担当者が突然退職してしまった場合のリスク

経理が突然辞めて困る

経理業務が滞る

退職者が担当していた経理業務が滞り、会社のお金の動きを把握できなくなったり、請求書の発行が遅れたりします。他の経理担当者がカバーするにしても、業務負担が増大するため、どうしても対応が遅れます。
また、業務負担が増大したことでモチベーションが下がり、退職してしまう可能性もあるでしょう。 このように、一時的とは言え、他の経理担当者の負担が増大することは大きなリスクとなります。

属人化していて、わかる社員がいない

特定の経理業務の進め方を1人だけが把握している場合、その人物が退職すると経理業務が滞ってしまいます。このような属人化の問題は、経理だけではなく他の業務でも起こり得ることです。
また、経理業務の内容や進め方を外部から把握しづらくなる「ブラックボックス化」にも注意が必要です。
基本的な経理業務は他の経理担当者も把握しているが、特定の業務のみ属人化しているといったケースもあります。どのような小さな業務でも、属人化させないことが重要です。

引き継ぎの時間が取れない

経理担当者が突然退職した場合、引継ぎの時間が取れません。
病気や怪我、家庭の事情など、突然退職する理由は様々です。
通常、数ヶ月前には退職の意向を示し、少しずつ引継ぎを進めていきますが、退職日の数日前に周りの人に知らされたり、急に来なくなったりする場合もあります。

マニュアルがない

重要な役割を担っていた経理担当者が退職する場合は、次の担当者のためにマニュアルを作成することが大切です。
しかし、突然退職した場合はマニュアルを作成する時間がありません。また、本人にマニュアルを作る気がない場合もあるでしょう。マニュアルがない場合は、経理業務で問題が起きたときに対処できなかったり、非効率な進め方をしたりと、様々な問題が発生します。

コストがかかる

経理担当者が退職した場合、経理ができる人材を新たに雇用する必要があります。求人サイトへの掲載、転職エージェントへの人材発掘の依頼などに、数十万から100万円以上のコストがかかります。
また、退職した経理担当者が重要な役割を担っていた場合、極力早く人材を採用しなければ、他の経理担当者にかかる負担が大きくなりすぎる恐れがあります。そのため、複数の求人サイトへの求人掲載も必要になり、さらに多くのコストがかかるでしょう。
また、他の経理担当者への業務負担が増え、残業時間が長くなります。残業代は、1時間あたりの賃金額に割増賃金率を乗じて算出するため、残業時間が長くなればなるほどにコスト負担が大きくなります。

経理の後任を採用するのは大変

経理業務の引継ぎ

経理の後任の採用には、予想以上に労力がかかる場合があります。その理由を詳しくみていきましょう。

経理業務は会社によって大きく異なる

経理業務の内容は会社によって大きく異なるため、経理の経験者を採用しても即戦力にならないケースが少なくありません。即戦力にならなければ、他の経理担当者への負担が大きい状態が長く続き、さらなる退職者が出てしまいかねません。 採用前に自社の経理業務への適正を把握したいところですが、書類選考や面接、筆記テストだけでは、完全には把握できないでしょう。採用という大きなハードルをクリアしても安心はできないため、経理の後任を採用するのは大変なのです。

人材採用には金銭・時間・人的コストがかかる

人材採用には、金銭的・時間的・人的コストがかかります。
採用に数十万から100万円以上ものコストがかかることはお伝えしましたが、求人の作成や掲載依頼、関係各所との打ち合わせなどに時間的・人的コストがかかります。
さらに、コア業務に追われる中で、書類選考や面接などを行わなければなりません。このように、経理の後任を採用することは、大きなコストがかかる他、コア業務に支障をきたしかねないなど、何かと大変な業務なのです。

経理アウトソーシングをおすすめする理由

経理アウトソーシングがおすすめの理由

前述したように、経理アウトソーシングは経理担当者が突然退職してもトラブルが起きる心配がありません。経理アウトソーシングがどのような手法なのか、メリットや注意点について詳しくみていきましょう。

経理アウトソーシングとは?

経理アウトソーシングとは、経理業務の一部あるいはすべてを外部業者に委託することです。事業規模や業務内容に関係なく、記帳や給与計算、年末調整、売掛金と買掛金の管理などの経理業務を委託できます。

弊社で対応できる業務一覧はこちらをご覧ください。

社員退職リスク以外にもメリットが多い

経理アウトソーシングのメリットは、経理担当者の退職リスクの対策になることだけではありません。他にも次のようなメリットがあります。

コスト削減

経理アウトソーシングのサービスを提供する外部業者は、経理のプロです。そのため、経理業務に関して知識やノウハウを提供する必要はありません。自社で経理担当者を育成する際にかかる金銭的・時間的・人的コストを大きく削減できます。

弊社のコスト削減事例はこちら >

また、経理処理にミスが起きたときに、対応策を講じるために余計なコストがかかるといった心配もありません。
さらに、退職者が出る度に多額のコストをかけて経理担当者を採用する必要もなくなります。次は突然退職するような人物を採用しないように注意すればいいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、経理担当者が退職する主な理由は、「人間関係トラブル」、「スキルアップできない」などです。そのため、経理担当者が変わっても同じ理由で退職する恐れがあります。

法改正への対応

自社で経理を行う場合、税制などの法改正に対応するために社内教育を実施する必要があります。また、セミナーを開催したり、アドバイザーに指導を依頼したりする場合もあるでしょう。経理を丸ごとアウトソーシングすれば、法改正に対応するのは外部業者ですので、自社で教育を行う必要はありません。
また、経理を専門としている業者は、法改正に速やかに対応し、これまで通り滞りなく経理業務を遂行してくれます。 法改正に気づけずに経理処理を続けていると、さかのぼって修正が必要になります。
経理アウトソーシングを提供している専門業者であれば、このようなミスが起きる心配もないでしょう。

不正等の防止

自社で経理を行う場合、経理担当者が不正行為をして会社のお金を横領するリスクを伴います。横領したことが発覚しないように数字を改ざんされると、発見までに時間がかかります。毎年少しずつ横領し、数十年にわたって莫大な額を横領するケースもあります。
経理をアウトソーシングすれば、このような不正行為をされる心配がありません。不正が行われていないかチェックする必要もなくなるため、時間的・人的コストを削減できます。

コア業務への専念

経理とコア業務を兼任すると、経理業務がコア業務を圧迫して、利益に直結する行動をとる時間が少なくなる場合があります。
経理はお金の動きを把握するために欠かせないものですが、利益に直結しません。経理をアウトソーシングすれば、コア業務に避ける時間が大幅に増えて、より多くの利益を得られるようになります。

経理アウトソーシング利用の注意点

経理アウトソーシングの利用には、デメリットと注意点もあります。対策方法と併せて詳しくみていきましょう。

経理代行の実際にあった失敗事例3選もご参考に!

社内にノウハウが蓄積されない

経理を丸ごとアウトソーシングすると、社内にノウハウが蓄積されません。ノウハウが蓄積されていない場合、経理を内製化することになった際に、体制を整えるまでに膨大な時間がかかります。

場合によっては料金が高くなる可能性

経理アウトソーシングの料金は、業者によって異なります。業者の選び方を間違えると、予想以上に多くのコストがかかるでしょう。
ただし、料金が安くても経理業務の質が低ければ元も子もありません。業者の経理業務の質と料金のバランスに問題がないか確認しましょう。

セキュリティの確認

経理をアウトソーシングすると、外部業者に自社のお金の流れが知られてしまいます。もし、他社に情報が流出すれば、不利な立場に立たされるでしょう。そのため、セキュリティ対策や経理データの取り扱いルールなどを事前に確認しておくことが重要です。
セキュリティやデータの取り扱いルールに問題がないことを前提に、アウトソーシング先の業者を探しましょう。

業務レベル(クオリティ)の確認

経理業務のレベルを十分に確認したうえで、委託するかどうかを決めましょう。自社が求めるレベルを明確に提示することで、条件を満たした人物を担当につけてくれるはずです。経理の経験年数や資格の有無など、より明確な条件を提示することが大切です。
お試しで1ヶ月のみ委託して、経理のレベルを確認したうえで長期的な委託を検討しましょう。

退職リスクに備えるなら経理アウトソーシングがおすすめ

経理アウトソーシングのメリットは、退職リスクに備えられるだけではありません。人材採用にかかる時間的・人的・金銭的コストを大幅に削減できます。経理のアウトソーシング先を探すときは、料金と業務レベルのバランスや、セキュリティ対策の有無、運用ルールなどをチェックしましょう。

税理士法人Bricks&UKでは、税理士法人として質の高い経理アウトソーシングサービスを提供しております。経理業務だけではなく、業務改善や利益率アップ、生産性向上などのコンサルティングも行っております。少しでも興味がある方はお気軽にご相談ください。

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