不動産業の経理あるある?法改正リスクや業務非効率から脱却する方法2025.10.02

不動産業の経理は煩雑です。とはいえ、経理作業に時間をかけたり、複数の人材をおいたりすることは、小さな会社では特に難しいもの。家賃の入金確認や仲介手数料の計算など、日々の忙しさに紛れてつい経理は後回しになりがちです。
今回は、不動産業の経理に関し、よくあるリスクとその解決策を解説します。
目次
不動産の経理が抱える3つの深刻なリスク

不動産業の経理は、他の業種にはない家賃管理などを含め、多岐にわたります。これらを経営者が本業のかたわらで、もしくは経理担当者1人だけに任せて行うことには、大きなリスクがあります。
なかでも深刻なのは次の3つのリスクです。
- 非効率な作業による本業圧迫のリスク
- 属人化による業務停滞や不正のリスク
- 法・税制改正への対応もれリスク
それぞれ見ていきましょう。
非効率な作業による本業圧迫のリスク

不動産の経理で最も負担となるのが、家賃の入金確認やオーナーへの送金作業ではないでしょうか。
一件一件の振込データを手作業で確認し、複数の物件情報をExcelに転記。もちろん、入居者や業者とのやりとりもあって、締め日には深夜まで作業が終わらないことも。
特に手作業では効率が悪く、本来もっとも時間をかけるべき本業を圧迫する大きなリスクです。物件情報の調査や顧客対応、新企画のアイデア出しなど、利益に直結するコアな業務に時間をかけられなければ、売上向上につながらず、他社との差別化もできません。
属人化による業務停滞や不正のリスク

経理業務を1人または少人数で行うことには、属人化のリスクもあります。
属人化とは、特定の人にしかその業務ができない状態。属人化すると、その人が体調不良などで不在の場合に業務が滞り、取引先などに迷惑をかけることも。
そして属人化の怖いところは、その人にしかお金の動きがわからない「ブラックボックス化」のリスクが高まることです。ブラックボックス化は、横領など不正の温床となり得ます。
法・税制改正への対応もれのリスク

不動産業にも経理業務にも、多くの法が関わります。法や税制に変更があるたび、遅れることなく適切な対応をしなくてはなりません。
対応が遅れると、取引先や客とのトラブル、クレームにつながります。もし法令違反や脱税などと見なされれば、罰則や追徴課税の支払いといった金銭的リスクも負うことに。
不動産業では取り扱うお金も大きく、損失も大きくなりがちです。不動産業特有の消費税の取り扱いや建物の減価償却の計算など、複雑な処理も多いため注意が必要です。
リスク回避に欠かせない3つの対処法

不動産の経理に潜むリスクは、放置すると危険ですが、すぐに始められる対処法もあります。自社に合った方法でリスクを回避してください。
- 業務プロセスの見直しと標準化
- 経理システムの導入・活用
- 経理業務のアウトソーシング
順に見ていきましょう。
業務プロセスの見直しと標準化

まずは、いま行っている経理作業のすべてを書き出して整理します。いつ誰が、どのような手順で作業をしているかを明確にすることが重要です。
それによって、二度手間などのムダ、不要な作業や改善すべき手順などが見えてきます。
改めて、すべてのプロセスを見直し、誰にでもできるように標準化してマニュアルを作成しましょう。そうすれば、効率が上がり、属人化やそれが原因となる不正なども防げます。
経理システムの導入・活用

業務プロセスを標準化するのは効果的ですが、いつまでも手作業や紙での業務を続けることにもリスクがあります。
そこで活用したいのが、会計ソフトや不動産管理の経理システムです。複雑な仕訳や計算を自動化したり、複数のシステムを連動させたりすれば、作業時間は大幅に短縮できます。
手作業によるミスや転記ミスなども防げ、属人化も防げるほか、自動アップデートで最新の法改正への対応が遅れる心配もありません。
経理業務のアウトソーシング

業務プロセスの見直しによる効率化やITツールなどの導入は、自社で進めることも可能ですが、時間も手間もかかります。業務フローの再設計や自社に合うツールの選定、システムの構築には、各方面の専門知識も欠かせません。
そこでおすすめしたいのが、経理アウトソーシングサービスの活用です。専門の業者に経理を代行してもらうことで、煩雑な業務から解放され、ムダなくスムーズに効率化が叶います。
ただし、経理をアウトソーシングするには、業務プロセスの標準化とIT化が必須です。そのため、業務プロセスの改善とツールの導入から親身に行ってくれる業者を見つけることが成功のカギとなります。
不動産経理の課題はアウトソーシングで解決しよう

不動産経理には、「非効率な業務による本業圧迫」「属人化による業務停滞や不正」「法・税制改正への対応もれ」という3つの深刻なリスクが潜んでいます。
しかし、これらの課題は、業務プロセスの標準化、ITツールの導入によってある程度まで改善がかのうです。そして、経理アウトソーシングの活用で、すべてが一気に解決できます。
当社「Bricks&UKアウトソーシング」は、業務設計に長けた専門家による業務プロセスの再構築や、最適なツールの導入からていねいにサポートいたします。本業に専念し、事業成長のスピードを上げるためにも、ぜひ一度ご相談ください。