月次決算を早期化する6つの手順|手作業を減らして経理を効率化2026.03.10

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月次決算は、翌月1週間ほどで完了するのが理想です。遅くとも月の中頃には終わらせたいところですが、実際は「翌月末までかかっている」という会社も少なくありません。

しかし、月次決算が遅くなればなるほど、経営判断が後手に回るなど多くのデメリットが生じます。早期化は難しいと思われがちですが、高額な投資をしなくても方法はあります。

今回は、月次決算の早期化が必要な理由や、遅れる原因と、具体的な改善の手順を詳しく解説します。

【この記事の監修者】 株式会社Bricks&UK Outsourcing業務コンサルタント
経理の業務設計・運用に優れたコンサルタントが、効率的で正確な業務請負いをお約束します。

月次決算の遅れがもたらす5つの経営リスク

月次決算の遅れがもたらす5つの経営リスク

月次決算が遅れてしまうと、気づかないうちに経営状態が悪化する恐れがあります。具体的なリスクは次の5つです。

  • 経営判断が遅れて無駄な支出が増える
  • キャッシュフローの悪化に気づけない
  • 銀行からの信頼を失い融資にも不利になる
  • 節税対策や納税の準備に支障が出る
  • 現場のミスや不正の発見が遅れる

それぞれ見ていきましょう。

経営判断が遅れて無駄な支出が増える

数字が出るのが遅いと、利益を削っている無駄なコストに気づけません。たとえば外注費や材料費が予算オーバーしていても、集計に1カ月かかれば、その間は赤字のまま放置することに。

月明けした数日のうちに数字が固まれば、即座に現場への指示や価格の見直しが可能です。残せたはずの利益を失うのは大きな痛手です。

キャッシュフローの悪化に気づけない

「帳簿上は黒字なのに、手元の現金が足りない」これは、中小企業でよく起こる事態です。月次決算が遅れると、この現金の流れ(キャッシュフロー)の異常に気づくのが遅れてしまうことに。

最悪の場合、支払い直前になって資金不足に慌てることになり、「黒字倒産」のリスクさえ高まります。

銀行からの信頼を失い融資に不利になる

月次決算がずさんで、銀行から融資を断られ落ち込む男性

銀行などの金融機関は、数字の正確さはもちろん「速さ」も経営能力の判断材料としています。試算表の提出を求められた際、すぐに出せない会社は管理体制が不十分だとみなされます。

情報の鮮度が低いだけで信頼を損ない、融資の条件が厳しくなることも珍しくありません。

節税対策や納税の準備に支障が出る

月次決算が遅れがちだと、年度末の納税予測を正確に立てるのも難しくなります。決算直前になってようやく納税額が判明しても、そこから有効な節税対策をするのは困難です。

また、納税用の資金を急いで用意しなければならず、会社の資金繰りを圧迫する原因にもなります。

現場のミスや不正の発見が遅れる

決算が遅いほど、社内の小さなミスやトラブルの発見も遅れます。数カ月前の入力ミスをさかのぼって調査するのは、現場にとって大きな負担です。

また、数字のチェックが甘い環境では、横領などの不正が起きやすいリスクもあります。

月次決算が遅れがちになる主な原因

月次決算が遅れるのには、明確な理由があります。多くの会社に共通する主な原因は、次の3つです。

  • 手入力や紙などアナログな業務
  • 他部門からの経費精算や報告の遅れ
  • 特定の担当者に依存した業務の属人化

手入力や紙の運用などのアナログ業務

月次決算が遅れる原因の1つ、手入力や紙の運用などのアナログ業務

もっとも大きな原因は、経理業務の中に手作業が残っていることです。

領収書の内容を1つずつ手入力したり、紙の伝票と通帳を突き合わせたりする作業は、件数が増えるほど膨大な時間を要します。

また、手作業では打ち間違いなどのミスも避けられません。ミスを特定し、修正するにも多くの時間が割かれます。

各部門からの報告の遅れ

経理以外の部門から月次決算に必要な資料が届かないことも、遅れの大きな要因です。

現場からの経費精算や売上データの報告がなければ、経理側で集計を始めることができません。期限を過ぎてから資料が届く、内容に不備があり差し戻す、といった事態が重なって、全体のスケジュールが後ろ倒しになりがちです。

特定の担当者に依存した属人化

月次決算が遅れる原因の1つ、特定の担当者に依存した属人化

特定の担当者にしかわからない「属人化」の状態も、月次決算の遅れを招きます。

資料作成などの業務が属人化していると、当人の作業スピードがすべてになります。当人が不在にしたり、他の業務で手一杯になったりすれば、処理が止まってしまいます。

マニュアルがなく、ブラックボックス化した工程が多いほど、個人のスキルや裁量に左右されることになります。

月次決算を早期化するための6つの手順

月次決算を早期化するための6つの手順

月次決算の早期化は、単に作業を急ぐことではありません。まず「ゴール」を明確に定義し、そこから逆算して業務プロセスを再構築する必要があります。

具体的には、次の6つの手順で対策を進めます。

  1. 納期目標と資料の完成図を決める
  2. 現状の業務フローと課題を可視化する
  3. 領収書や請求書を電子化する
  4. データ連携と仕訳の自動化設定を行う
  5. 経理フローをマニュアル化する
  6. 全社で資料提出期限の厳守化を図る

それぞれ見ていきましょう。

1)納期目標と資料の完成図を決める

まず、月次決算を「毎月何日までに完了させるか」という納期目標の設定を行います。
次に、その期限までに集まる資料で、「最終的にどのような報告書が手元に届くか」という仕上がりのイメージを共有します。

もし、今の資料回収スピードでは「経営判断に必要なレベルの報告書」が納期までに作れない場合は、納期を後ろにずらすか、この後に解説する「デジタル化」や「ルールの整備」によって解決できないかをこの段階で判断します。

【当社ならこれ可能です!】
特にこの最初の部分は、自社完結だと「他部署に角が立つから」などと妥協してしまいがちです。しかしそれでは、真の早期化は実現できません。

当社Bricks&UKアウトソーシングは、プロの第三者として「経営に必要な完成図」を提案し、実現のためのマニュアル最適化やシステム設定もセットでサポート可能です。社内の調整に不安がある場合でも、ぜひおまかせください。

2)現状の業務フローと課題を可視化する

目標が決まったら、次は「今はどうなっているか」を具体的に確認します。現在の経理業務を「誰が」「どのような手順で」行っているかを書き出し、どこで時間がかかっているかを特定します。

現状を客観的に把握することで、二重チェックの無駄や属人化、資料の提出期限を守らない人物の存在といった「目標達成を邪魔する原因(ボトルネック)」を明確にします。

3)領収書や請求書を電子化する

紙の資料をベースにした運用は、紛失のリスクだけでなく、入力作業そのものに膨大な時間を奪われます。

スキャナ保存や専用アプリを活用して証憑類を電子化することで、経理担当者が紙を見ながら手入力する手間を削減できます。電子化は、次以降のステップである「自動化」をスムーズに進める土台となります。

4)データ連携と仕訳の自動化設定を行う

銀行口座やクレジットカードと会計システムをデータ連携させ、日付・金額・取引先などの情報を自動で取り込めるようにします。

さらに、取り込んだデータに対して自動で勘定科目を割り当てる「仕訳ルール」を設定します。これにより、毎月発生する固定費や特定の取引先との入出金は、判断不要で処理が完了。入力ミスと作業時間の双方を大幅に削減できます。

5)経理フローをマニュアル化する

システムによる自動化を整えたら、その新しい業務の進め方をマニュアルとして言語化します。

「どの作業を・いつ・何のソフトを使って処理するか」を明確にし、判断基準(科目の選び方や承認ルール)を統一することで、担当者が不在でも業務が回る体制にします。属人化・ブラックボックス化を排除することで、業務の滞りと決算の遅延を防ぎます。

6)全社で資料提出期限の厳守化を図る

最後に、他部署からの資料提出・報告の遅れを防ぐ体制を作ります。資料の提出期限は社内ルールとして徹底します。月次決算が遅れることによる経営のリスクを全社員に周知し、危機感を持たせることも有効です。

経理のためでなく「会社のため」、ひいては「自分たちのため」に必須のルールとして、理解と協力を呼びかけましょう。

低コストで月次決算の早期化を実現するコツ

月次決算の早期化を実現するために、高額な最新システムを導入する必要はありません。限られたリソースの中で成果を出すために重要なのは、次の3つの視点です。

  • 既存システムをフル活用する
  • 無駄な工程を徹底的に省く
  • 自社に合うITツールを選んで活用する

それぞれ解説します。

既存のシステムをフル活用する

新しいツールを探す前に、まずは現在利用している会計ソフトの機能をくまなく確認します。 実は、「自動連携」や「一括インポート」など標準搭載の便利な機能を使いこなせていないことも多いのです。

こうした既存機能をフル活用するだけで、追加コストを一切かけずに、手作業の時間を大幅に短縮できる可能性があります。

無駄な工程を徹底的に省く

「紙の資料を見ながらExcelに打ち込み、そのデータを今後は会計ソフトに手入力する」といった二重入力の工程があれば排除します。

1つのデータを一度の入力で完結させる、あるいは他部署で作ったデータをCSV形式で出力し、会計ソフトに直接取り込む。

このように「データの流し方」を工夫するだけでも、入力ミスと作業時間は削減できます。

自社に合うITツールを選んで活用する

「多機能・高額」なツールが自社にとって最適とは限りません。高機能すぎるツールはかえって入力項目が増え、現場の負担を重くすることがあります。

重要なのは、自社のニーズに合うツールを利用することです。取引規模や従業員数に合わせ、必要な機能だけに絞ったツール(経費精算アプリなど)をピンポイントで導入するのがおすすめです。

自社にマッチしたツールを選べば、導入コストやその後の学習コストも節約でき、決算作業も楽になります。

月次決算の早期化にもアウトソーシング

月次決算の早期化は、正確な経営判断を下すために不可欠です。現状を可視化し、遅れる原因となる課題を解決すべくデジタル化やルールの整備を進めましょう。コストを抑えながら決算スピードを上げることも十分に可能です。

ただ、自社リソースだけで業務フローを見直したり、自社に合ったシステムを選んで使いこなせるよう設計したりするのはなかなか難しいものです。

そこでおすすめなのが、経理アウトソーシングです。当社Bricks&UKアウトソーシングは、プロのノウハウで業務プロセスを最適化し、スピーディーな月次決算を可能にします。ぜひお気軽にご相談ください。

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