経理・会計士・税理士の違いとは?中小企業での必要性と役割、活用法2026.02.03

「経理を雇っているのに、会計士も必要なのか?」
「会計士と税理士は何が違うんだ?」
実はこういう疑問を持つ人って少なくありません。しかし、その役割分担を把握していないと、いざという時に混乱を招いたり、社内で属人化やコスト増といった経営リスクを招いたりしてします。
今回は、経理・会計士・税理士の違いを整理し、中小企業にとって効率的な役割分担について解説します。それぞれの専門性をどう組み合わせれば、リスクを減らしスムーズな事業運営ができるのか、確認していきましょう。
目次
会計士は「アドバイザー」、経理は「作業者」

経理も会計士も、もっと言えば税理士も、みんな「お金の計算をする人」のようなイメージがあるかもしれません。しかし、その役割は明確に分けられています。
まずは、それぞれの立ち位置を整理してみましょう。
日々の作業と数字を管理する「経理」

経理の主な役割は、社内で発生する日々の取引を記録することです。現金の出入りを帳簿に就ける「記帳」のほか、領収書の整理、請求書の発行、経費の精算などが主な業務です。
いわば、会社の家計簿を毎日リアルタイムで更新し、今どれくらいのお金があるかを可視化し、現場の土台を作る役割です。
税金の申告を代行してくれる「税理士」

税理士は、文字通り「税金」のプロフェッショナル。経理がまとめた数字をベースに、正しい税金の額を計算し、税務署に提出する申告書を作成します。
また、節税のアドバイスや税務調査の立ち会いなど、税金に関わるあらゆる場面で経営者をサポートしてくれる存在。多くの中小企業にとって、外部で最も身近な「先生」です。
書類の正しさを証明してくれる「会計士」

会計士(公認会計士)は、主に「監査」をする仕事。会社の決算書が正しいルールで作られているかを、第三者の立場で証明する専門家です。
税理士が「税務署(税金)」に向き合うのに対し、会計士は「銀行や投資家などの利害関係者」に向き合い、数字の透明性を担保します。大企業や上場準備中の会社には欠かせない存在ですが、中小企業でも、信頼性の高い決算書を作るためのアドバイザーなどとして活躍します。
役割を混同してはいけない理由

前述のように異なる役割をあいまいにしていると、経営に悪影響となる可能性があります。
最もよくないのは、高い専門知識を持つ税理士や会計士といった有資格のプロに、日々の領収書整理といった「作業」まで任せてしまうことです。
それでは高度な戦略を練るべき参謀に、雑用をさせているのと同じこと。コストパフォーマンスの悪い、「専門家の無駄づかい」です。
逆に、日々の入力作業などを担うべき担当者に、会計や税務上の処理まで完璧にさせようというのは無理な話。役割を混同していると、責任の所在もあいまいになり、ミスや不正の見逃しにもつながります。
担当者任せの経理が抱える「3つの不安」

会計士や税理士と顧問契約していて、経理は自社内で完結。それで何も問題はないように思えますが、実は経理を自社だけで完結させるのにも、複数のリスクがあるので注意が必要です。
その人が辞めたら「何もわからない」危険
「経理のことは、彼(彼女)に聞かないと誰もわからない」――。もし、自社でこんな風に言われているなら、業務が「属人化」している証拠です。
実務のノウハウがその担当者の頭の中にしかない「属人化」のままでは、本人が突然の休職や退職となった途端、大事な支払いや給与計算までストップしてしまいます。
代わりに作業できる人がいなくては、取引先や従業員の混乱を招き、信頼を一度に失いかねません。
採用や教育にかかる「見えないコスト」

経理を自社で完結させるには、給与以外にも多くのコストがかかります。専門知識のある人材を新しく採用するとなれば、求人広告費や紹介手数料だけで数十万円から、時には百万円以上の費用が発生します。
ようやく採用できても、自社のやり方に慣れるまでに時間がかかり、その間の作業効率は、良いとは言えません。また、インボイス制度や電子帳簿保存法など近年の複雑な法改正を、1人の担当者が常に正しく理解し続けるというのも難しいもの。こうした時間と労力も、実は大きなコストです。
ミスが発覚したときの手遅れリスク

簿記の知識がある人でも、1人ですべてをこなしていれば、ミスに気づくのは困難です。
特に怖いのは、入力間違いや解釈の誤りによる処理のミスが、数カ月、あるいは数年後に発覚すること。「チェック機能の不在」も、銀行に決算書の信頼性を疑われたり、税務調査で多額の追徴課税を指摘されたりといった事態を招きます。
大きなトラブルになり、気づいたらもう手遅れ…この状況こそが、単独経理における最大の懸念点です。
経理担当がいても外部専門家が必要な理由

自社に優秀な経理担当者がいたとしても、それだけで会社経営の「守り」が完璧になるわけではありません。法的なルールや対外的な信用、さらにはリスク管理といった観点から、専門家のサポートは必須なのです。
その理由を具体的に見ていきましょう。
自社だけでは完結できない手続きがある
事業を経営するには、社内で完結する事務作業のほかに、国や自治体に対して行うべき法的手続きが多数存在します。
たとえば、正確な税額を算出して申告する「税務申告」や、会社の社会的信用を保証するための「監査」。
これらには高度な専門知識が必要で、法律によって特定の資格者(税理士や公認会計士)にしか代行できないと定められています。
税務署や銀行からの「信頼」を得る

外部専門家が必要なもう一つの大きな理由は、対外的な「信頼」です。
会社が作成した決算書が、自分たちの都合の良いように作られたものではないか。これを証明するのに、自社だけでは限界があります。
税理士の署名がある申告書や、会計士のチェックを通った書類は、税務署や金融機関に対して「正しいルールに則った数字・内容である」という証明書になります。
この信頼があるからこそ、スムーズな融資や公正な取引が可能になるのです。
「作る人」と「チェックする人」を分ける
どんなに注意深く作業をしていても、人間である以上、思い込みによるミスや不正のリスクをゼロにすることはできません。
そこで重要になるのが、日々の数字を「作る人(社内経理)」と、それを客観的に「チェックする人(外部専門家)」を分けることです。
身内ではない第三者の厳しい目が入ることで、初めて社内の会計品質は担保されます。この二段構えの体制を作ることこそが、結果として会社の大事な資産を守ることにつながります。
だからといって「丸投げ」もNGな理由

税理士や会計士といった専門家は、心強いパートナーです。とはいえ、経理業務のすべてを外部に丸投げしてしまうと、逆に経営のスピードを落とし、コストが増大にもなるので注意が必要です。
専門家に頼り切りになることで生じる、代表的な3つの問題を見ていきましょう。
会計士や税理士は「作業要員」ではない
「専門家に丸投げすれば、社内で経理の事務作業をしなくてよくなる」と勘違いしてしまう人もいます。しかし、税理士や会計士の本来の役割は「数字のチェックや申告の代行」です。数字を出す作業や、振込・請求書作成といった事務作業を肩代わりすることではありません。
サービスとして記帳代行などを請け負う事務所もありますが、あくまで「預かった資料を処理する」だけです。その資料自体の正確さ、現場での不正・ミスなどは、専門家の責任ではありません。
それなのに「全部任せたから安心」と思い込んでしまう、これは経営リスクにもつながります。
相談したいときに「数字が古い」という問題

資料を専門家に渡して記帳代行などしてもらう場合、手元に試算表(成績表)が届くまでに1カ月以上のタイムラグが発生することも珍しくありません。
思い立って「今の資金繰りを確認したい」「投資判断をしたい」と思ったとき、手元にあるのが1カ月以上前の数字では、適切な判断は不可能です。
数字は、未来の意思決定に必要なツールです。丸投げで情報の鮮度が落ちることは、経営のスピード感も失うことになりかねません。
「専門家ならではのアドバイス」を活用できない
本来、会計士や税理士に支払う顧問料は、節税や経営のアドバイスといった「専門家ならではの高度な専門知識」の対価であるべきです。
しかし丸投げの状態では、「散らかった資料の整理」や「単純な入力作業」といった、誰でもできる作業コストに多くを割かれがち。経営のアドバイスなど、肝心なことに時間を取ることができていない中小企業も多いです。
わざわざ高い料金を払い、ITツールや一般社員にもできる作業をさせている状態では、コストパフォーマンスが悪すぎる、と言わざるを得ません。
「経理OS」で理想のチームを作る

経理の課題は、単純に「人を増やす」「外部に丸投げする」というだけでは解決できません。必要なのは、誰が担当しても正しく回る、自社独自の「経理の仕組み」を構築することです。
それには経理アウトソーシング(OS)が大いに役立ちます。
プロのチームが「退職リスク」をゼロに

経理OSを導入すると、担当者の突然の退職に慌てる必要がなくなります。「あの人がいないと支払いが滞る」「何をどう処理していたかわからない」といった属人化も、委託時に業務をマニュアル化するため解消されます。
自社で高い採用費をかけて新しい人を探し、イチから教育し直す、そしてまた退職…などという、終わりなき苦労から解放されます。
仕組み化で「正確な数字」がいつでも見える
自社だけで経理を回そうとすると、担当者ごとに異なる「マイルール」が横行しがち。思い込みによる間違った処理やミスに気づかない体制が原因で、正確な数字かどうかがあやしくなることも。
経理OSなら、プロの視点で入力ルールや管理フローを整え、誰が触ってもミスが起きない仕組みを作ります。常に信頼できる正しいデータが整理されている。この安心感こそ、迷いのない経営判断につながります。
ただし、業者によっては代行作業を担当者1人の能力に頼るケースもあるので注意が必要です。
当社Bricks&UKアウトソーシングでは、窓口の担当者は1人に絞る一方、作業は複数人のチームで行います。あえて担当制にせず業務を見える化し、常に安定して回る体制を取っています。
税理士法人や社会保険労務士事務所など、各分野のプロとも組織で連携。経営に関するあらゆるサポートが可能です。
任せるべきことは経理のプロに任せよう

「経理」は単なる事務作業ではなく、経営状態を正しく把握するための土台を整える作業です。この数字を持って、会計士や税理士の高度な知見をもとに経営を加速させることが重要です。
中には、作業を専門家に丸投げで終わり、自社の数字にすら無関心になる経営者もいます。しかしそれでは、顧問料を払って税理士や会計士に依頼する意味がありません。
常に正しい数字が出る仕組みを外注で整え、専門家の知見はより高度な経営に活かしましょう。
当社Bricks&UKアウトソーシングでは、母体である税理士法人と連携し、中小企業の経営をトータルでサポートします。お気軽にご相談ください。


