経理BPOとアウトソーシングの違いとは?中小企業の導入成功術2026.01.27

経理BPOとアウトソーシングの違い

「経理がすぐ辞めるから採用と教育の繰り返しだ」「入力ミスや振込間違いが減らない」「法改正のたびに現場が混乱する」…経理にこうした問題を抱えていませんか?

慢性的な人手不足に加え、インボイス制度などの法改正により、経理の自社完結に限界を感じる中小企業は増えています。ただ、外部に委託するといっても、BPOやアウトソーシングなど選択肢はさまざまで、どの方法が自社に最適なのかを判断するのは難しいものです。

今回は、BPOとアウトソーシングの違いを整理し、失敗しないための導入術を解説します。

【この記事の監修者】 株式会社Bricks&UK Outsourcing業務コンサルタント
経理の業務設計・運用に優れたコンサルタントが、効率的で正確な業務請負いをお約束します。

そもそもなぜ「経理の外部委託」が必要なのか

なぜ「経理の外部委託」が必要なのか

今や中小企業でも、外部に経理を託す会社は増えています。「経理は自社で行うもの」という考え方は、もはや常識ではなくなりました。その理由は、大きく分けて3つあります。

  • 担当者の属人化退職リスクをなくすため
  • 複雑な法改正にミスなく対応するため
  • 経営層が本来の重要業務に集中するため

それぞれ見ていきましょう。

担当者の属人化と退職リスクをなくすため

担当者の属人化

中小企業の経理に多いのが、業務の属人化です。担当者が1人、あるいは兼務者のみという体制だと、当人がいないだけで支払いや入金確認が止まってしまいます。属人化はブラックボックス化して不正の温床ともなる、大きなリスクです。

深刻な人手不足が続く今、市場は完全な売り手市場。転職する人も増えています。急な退職や休職で欠員が出ても、同等スキルを持つ人材はなかなか見つかりません。

しかしその点、外部委託なら個人のスキルに頼らず業務を継続できます。不測の事態から会社を守るための有効なリスクヘッジです。

複雑な法改正にミスなく対応するため

ミスなく対応

インボイス制度や電子帳簿保存法といった相次ぐ法改正も、経理の現場を混乱させる原因です。正しく対処するには、単に知識をアップデートするだけでなく、要件に合うように作業を変更するなどの必要性も出てきます。

独学で最新情報をキャッチしても、ミスなく実務に落とし込むのは難しいものです。解釈を誤って処理すれば、取引先への迷惑や税務調査での指摘に繋がりかねません。

その点、プロは常に最新の法令と対処法正しく理解しています。委託すれば、安心感も手に入ります。

経営層が本来の重要業務に集中するため

本来の重要業務に集中する

中小企業では、経営者や役員クラスが振込作業や領収書のチェックに時間を割いているケースも多いです。しかし、経営層が注力すべきは、売上を作るための戦略立案や営業といった「攻め」の業務ですよね。

細かな事務作業に追われ、本来やるべき仕事が後回しになることは、会社にとって大きなムダといえます。ビジネスチャンスを逃してまで経理実務を行うのは、コスパ的にも残念と言わざるを得ません。

バックオフィス業務を外部へ切り出し、経営のリソースを本業に集中させる。この環境づくり」こそが、外部委託によって得られる最大の経営的メリットです。

BPOとアウトソーシングの決定的な違い

BPOとアウトソーシングのの違い

外部委託を検討する際によく聞くのが、「BPO」や「アウトソーシング」。どちらも外注を指す言葉ですが、本質は大きく異なります。自社にとって本当に必要なのはどちらなのか、3つの視点から考えてみてください。

「一部の代行」か「工程の丸投げ」か

アウトソーシングは、主に「データ入力」や「振込作業」といった、特定の作業を依頼するものです。自社で決めた手順通りに手を動かしてもらう「作業代行」としての側面が強いのが特徴です。

対してBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、業務の「プロセス(工程)」そのものを一括して委託します。領収書の回収から仕訳、月次決算の作成まで、一連の流れを丸ごと専門業者に任せます。

業務改善(BPR)が含まれるかどうか

業務改善

アウトソーシングは、基本的に「現状のやり方」に基づいて作業を代行します。自社独自のルールやアナログな手順を、そのまま外部に引き継げます。

それに対してBPOは、業務委託と同時に「BPR(業務プロセス再設計)」を行うのが一般的です。プロが現状の業務フローを分析し、無駄な工程の削減やシステム化による効率化を図った上で、新たな運用をスタートさせます。

ただし、アウトソーシングでもBPRを請け負う会社はあります。業務範囲、委託可能業務を確認して選ぶようにしてください。

成果物の「品質」と「責任の所在」

成果物の「品質

アウトソーシングで提供されるのは、入力されたデータなどの「作業結果」です。もちろん、その作業自体の正確性には責任を負いますが、あくまで「自社の指示通りに動くこと」が前提です。

そのため、指示の出し方や全体の納期管理、フロー上の課題解決といったマネジメントの責任は自社に残ります。

対してBPOは、業務の「完遂」および「運用の仕組み」に対して責任を負います。単なる作業代行にとどまらず、経理品質の維持や納期遅延が起きないための工程管理までを一括して受託します。「ミスが起きない仕組み」ごと任せられ、自社の管理業務の負担が大幅に減ります。

自社にはどちらが合う?失敗しないための見極めポイント

見極めポイント

BPOかアウトソーシングか。それは「どちらが優れているか」でなく「どちらが自社に合っているか」で決めることが重要です。次の3つのポイントをメインに見極めましょう。

「作業の委託」か「プロセスの委託」か

自社にマネジメントができる人間がいて、すでに確立された手順があるなら、アウトソーシングによる「作業の委託」が適しています。「振込だけ」「入力だけ」と切り出して依頼することで、現場の負担をピンポイントで軽減できます。

一方、「そもそも今のやり方が正しいかわからない」「経理実務から完全に離れたい」という場合は、BPOによる「プロセスの委託」が必要です。手順の構築から管理までをセットで任せることで、社内にノウハウがなくても経理が回る状態を作れます。

「コスト削減」か「業務改善」か

「外注費や人件費をとにかく抑えたい」という、コスト削減だけが目的ならアウトソーシングが向いています。安価な労働力で一部の作業を託し、短期間でのコストダウンを実現させます。

対して、コスト以上に「非効率な現状を変えたい」ならBPO一択です。長期的には「ミスの激減」や「月次決算の早期化」といった、数値化しにくい大きな改善効果をもたらします。

ただし、導入時にシステム化やフローの見直しを伴うため、初期費用はアウトソーシングより高くなる傾向です。

「一時的な人手不足」か「恒久的な体制」か

「育休中の数カ月だけ代わりが欲しい」「繁忙期だけ人を増やしたい」など、一時的な不足を補うなら、アウトソーシングが合理的です。必要な期間に絞って契約できるので、急場だけをしのげ、ムダがありません。また、特定の作業だけを依頼することも可能です。

一方で、BPOに適しているのは、今後「経理を自社で抱え込まない」体制にしようとする場合です。単なる欠員の補充ではなく、プロに業務を委ねることで、担当者の退職や採用難に振り回されない、安定した経理基盤を構築できます。

失敗しない委託先選びのチェックポイント

チェックポイント

委託先を選ぶ際は、価格だけでなく「自社の状況に並走してくれるか」を見極める必要があります。以下の4つのポイントを確認してください。

受託範囲と自社のニーズがマッチしているか

まずは「自分たちが任せたいこと」が、業者の「得意領域」「対応可能な範囲」に入っているかを確認しましょう。

業務プロセスの改善(BPO)をしてほしいのに、安さを理由に「作業代行だけ」の業者へ委託しても意味がありません。逆に、作業代行だけでいいのに高機能なBPOを契約すると、予想外のコストがかかります。

同業種や同規模企業での導入実績は豊富か

自社と同業種の代行実績があるか、中小企業のアウトソーシング実績があるかどうかを確認しておきましょう。

一口に「経理」と言っても、業種によって商習慣や法への対応が異なる場合もあります。また、大企業に比べて中小企業は、組織体制や業務フローなども確立されていないことが多いもの。そのため、アウトソーシング業者側の請け負い難易度も上がります。

特有の悩みを理解し、リスクを先回りして対策してくれる業者なら、移行もスムーズです。

セキュリティ体制は信頼に足るレベルか

経理は企業の最重要機密を扱うため、セキュリティ体制の確認は必須です。

プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの認証取得状況も重要ですが、実態が伴わないケースもあるので要注意。

実際のデータ管理方法や、万が一の際の補償範囲についても事前に聞いておく必要があります。

担当者との相性はいいか、対応は迅速か

レスポンスが遅い、意思疎通がしにくい担当者では、実務に支障が出ます。外部委託は「預けたら終わり」ではなく、日頃から密に連絡を取り合うことも必要です。

契約前に問い合わせしたり、試行期間(トライアル)を活用したり、現場感覚で相性を確認してみてください。連絡方法や緊急時の体制も、聞いておくと安心です。

スムーズな導入を実現する3つのステップ

3つのステップ

外部委託を成功させるには、まず準備をし、段階を踏んで移行することが重要です。以下の3ステップで進めましょう。

現状の業務フローを可視化し共有する

まずは現状の業務で「誰が・いつ・何を・どのようにしているか」を書き出し、紙やデータにまとめます。それを業者に確認してもらいましょう。

自社では当たり前の作業が、プロの目で見るとムダだったり、非効率の原因だったりすることも。業務を可視化して業者と共有した上で話を進めることで、自社ですべきことと委託範囲の境界線明確にします。追加料金の発生や作業の抜け・もれによるトラブルも回避できます。

一部業務の並行運用から段階的に始める

可能なら、最初からすべての業務を完全に切り替えるのではなく、一部の作業から「並行運用」するのがおすすめです。自社と委託先の両方で同じ作業を行い、結果を照合する期間を設けることで、連携上のミスや手順のもれを防げます。

ただし、業者によっては並行運用できない、あるいは追加費用が発生するケースがあります。自社のリソースと相談し、リスクの高い業務に絞って実施するなど、現実的な導入計画を協議することが重要です。

その場合は、「前月分のデータを使ってテスト入力してもらう」、あるいは「比較的ミスの少ない定型業務から順に広げていく」といったスモールスタートを検討しましょう。

いきなりすべての業務を手放さないこと、徐々に慣れていくことが、トラブルを防ぐ現実的な防衛策です。

BPOやアウトソーシングで課題解決しよう

アウトソーシングで課題解決しよう

経理業務の外部委託は、企業の「守り」を固め、経営者が「本業(攻め)」に集中するための戦略的な投資です。BPOかアウトソーシングかは、ニーズに合った方を選んでください。

  • アウトソーシング: 特定の作業を低コストで補い、今あるリソースの不足を解消
  • BPO: 経理フローをプロの視点で見直し、属人化しない恒久的な体制を構築

まずは自社の経理業務の実態と課題を整理することから始めてみてください。

当社Bricks&UKアウトソーシングでは、クライアントに寄り添い、業務プロセスの改善から最適解をご提案します。お試しでの利用もOKですので、お気軽にお問い合わせください。

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