総務・経理の兼務に潜むリスク!アウトソーシングがおすすめの理由も解説2025.03.20

中小企業では、総務と経理が明確に分かれていない、もしくは1人で兼務しているケースが多く見られます。

「それで間に合っているから問題ない」と思われがちですが、突然の退職や不正といった高いリスクが潜んでいることにも注意が必要です。

この記事では、まず総務と経理が兼務とされがちな理由や、兼務することのメリットを解説。そこに潜むリスクとその解消法を紹介しています。

最後に、選択肢として経理のアウトソーシングを紹介、そのメリットも解説するので参考にしてください。

中小企業で総務と経理の兼務が多い理由

総務と経理の兼務は、特に中小企業で多く見られます。主な理由は次の3つです。

  • バックオフィスのコスト削減
  • 慢性的な人手不足
  • 社員の急な退職による応急措置

バックオフィスのコスト削減

総務経理の兼務が多い理由の1つ、バックオフィスのコスト悪縁

コストカットを考えたとき、削減候補の筆頭となるのが人件費です。人件費が高いと、利益が圧迫され、経営状況の悪化につながります。

総務や経理といったいわゆる「バックオフィス」(間接業務)は、営業などと違って業務が売上に直結しません。そのため、人件費節約のために兼務させるケースが多くなっています。

慢性的な人手不足

総務・経理を兼任させる理由の1つ、慢性的な人手不足

少子高齢化は、慢性的な人手不足も生んでいます。「求人を出しても応募がない」というケースが少なくありません。

そのため、実際には役割や業務の異なる総務と経理を、同じバックオフィスだからと兼務させている企業も多いのが実状です。

社員の急な退職による応急措置

総務・経理を兼務させる理由の1つ、社員の急な退職による応急措置

総務や経理は少人数でまかなわれ、余分な人材はいないのが一般的。そのため、そのうち1人でも急に退職してしまうと、業務が回らなくなってしまいます。

そのため、応急措置として総務担当者に経理も兼務、もしくは経理担当者に総務を兼務させるケースがあります。

また、応急措置の予定だったのが、求人募集しても応募がない、兼務でも大きなミスや問題が起きていないなどの理由から、減員のまま兼務させ続けているケースもよくあります。

総務と経理を兼務させることのメリット

総務と経理を兼務させることのメリット

総務と経理を兼務させることには、次のようなメリットがあります。

  • コストが節約できる
  • 情報共有や連携のミスや漏れがない
  • 会社全体の状況が把握できる
  • 担当者のスキルアップができる

それぞれ説明します。

コストの節約

総務と経理を兼務させれば、給与や社会保険料、福利厚生や教育訓練のための費用など人件費が節約できます。

他にも、パソコンや机・椅子などの備品購入費のコストダウンが可能。オフィススペースも節約できるので、賃料や光熱費の削減にもつながります。

ミスや漏れのない情報共有や連携

たとえば消耗品を購入する場合、通常は総務が業者への発注をし、経理が支払いを行います。

これを同じ部署で行うことで、改めて発注の理由や数を確認したり、支払済かどうかを確認したりする必要がなくなります。

会社全体の状況把握

また、総務として消耗品の在庫管理をすれば、使用頻度やその回数の多い部門や個人を把握できます。

同時に経理として購入履歴や金額を把握し、使い方の指導や購入頻度の見直しをすれば、この点でも経費の削減につながります。

担当者のスキルアップ

また、総務と経理の兼務によって当人がスキルアップすることもメリットの1つです。

総務のスペシャリストでありながら経理もできる、経理のスペシャリストかつ総務知識もある、といった、いわゆる「T型人間」として活躍できる人材が育つでしょう。

総務と経理の兼務に潜むリスク

経理アウトソーシングをおすすめする理由

兼務にはメリットもありますが、リスクも潜んでいるため注意が必要です。総務と経理を兼務することの主なリスクには、次のようなことが挙げられます。

  • 業務の属人化
  • 担当者による不正
  • ミスの発生・見逃し
  • 担当者の急な退職
  • ずさんな業務管理

順に見ていきましょう。

業務が属人化するリスク

属人化とは、業務が「その人にしかできない」状態になることです。属人化してしまうと、他の人が業務を代われず効率が悪くなるほか、個人の知識や能力で、仕事の質やスピードが大きく変わります。

管理もしにくくなるほか、業務のノウハウが共有されることもありません。体調不良などで休んだり、退職したりした場合には、職場に混乱が生じます。

担当者による不正のリスク

大まかに言えば、総務は会社のお金を使う側、経理は管理する側です。この2つを兼務させると、監視やけん制の役割をする人がいないため、不正が起きやすくなります。

不正は個人の資質などによるところも大きいですが、過去の事例を見ると、「不正をしてもバレない環境だった」ことが大きな引き金となっています。

ミスの発生・見逃しのリスク

総務と経理の兼務リスク

総務と経理の兼務は、社員数や取引数が多いほど激務です。そのため、集中力の低下や過労、焦りなどによりミスの発生リスクも高まります。

また、たいていの場合、もともとは総務か経理、どちらかの知識は豊富で、片方はそうでないという状況。そのため、知識不足による判断ミスなども起きがちです。

ミスが起きても、多忙すぎて自分では気づかない、属人化で他の人にも気づかれないリスクがあります。

担当者が急に退職するリスク

総務と経理の兼任は、多くの当事者にとって常に不満がたまっている状態です。マルチタスクでワンオペとなれば、たとえばトイレに行く暇もなく体調を崩してしまうような人も少なくありません。

「他にやる人がいないから自分がやるしかない」と頑張った結果、突然心が折れて出社拒否、もしくはずっと言い出せずギリギリに退職届を提出、というのもよくある話です。

業務管理がずさんになるリスク

総務と経理の兼務リスク

総務にも経理にも、業務を遂行する上で守るべき法律やルールがあります。激務や属人化などで全体が見えない状態では、適切な業務も、業務管理もできません。

たとえば、最新の法改正に対応していないまま処理を進めてしまう、資金調達を画策しても、普段の経理処理がルーズで融資審査に通らない、といった弊害が起こり得ます。

総務と経理の兼務リスクを解消する方法

総務と経理の兼務は、可能でも上の章にあるようなリスクが常にある状態です。解消するには、次のような方法が効果的です。

業務の見直しと改善

総務と経理の兼務リスクを解消する方法

業務の見直しは、次の3つのステップで行います。

業務の可視化

まずは自社の総務・経理業務をすべて洗い出し、業務とそのプロセスを可視化します。何の業務をどのように行っているのかが明確になれば、同時に無駄や問題点もあぶり出されます。

業務の効率化

ムダな業務は廃止し、業務に優先順位をつけます。流れに重複など無駄がある場合は直し、効率化させましょう。

また、勤怠管理や経費清算などの業務を自動化するRPAツールの導入も検討したいところです。

マニュアル化

効率化した業務内容で、マニュアルを作ります。手順や業務フローのほか、期限なども明確にしておき、誰でも正しく作業できるようにしておきましょう。

マニュアルは随時更新し、常に最新の状態で共有することも重要です。

組織体制の見直しと改善

総務と経理の兼務リスクを解消する方法

総務・経理の分離が可能なら、その方がリスクは減らせます。それが無理でも、定期的なジョブローテーションを実施するなどして、特定の人物に業務や負担が集中しないようにする必要があります。

日々の業務でミスがないかのダブルチェック体制や、業務が適正に行われているかをチェックする内部監査などの体制を整えておきましょう。

各種システムの導入と連携

総務と経理の兼務リスクを解消する方法

総務にも経理にも、便利なシステムが多数存在します。会計システム経費計算システム勤怠管理システムなどは、それぞれを連携することでより便利に使えます。

総務と経理とを兼務させるなら、なおさら各種システムの導入と連携で業務効率化やミス・不正の防止を図りましょう。

経理業務のアウトソーシング

総務と経理の兼務リスクを解消する方法

総務と経理の兼務で従業員に大きな負担がかかっていたり、不満がたまったりしている場合は、経理業務を外部の代行業者に委託する「アウトソーシング」も1つの方法です。

経理の中でも、記帳代行など専門性の高い業務、負担の大きい業務だけをアウトソーシングする、経理業務を丸投げするなど、自社に合った方法で利用しましょう。

経理アウトソーシングについては、次の章で具体的なメリットを解説します。

経理アウトソーシングをおすすめする理由

経理アウトソーシングのスタッフ

上の章では総務と経理の兼務リスクを解消する方法を説明しました。しかしそもそも、総務と経理の分離や、社内体制の整備、各種システムの導入が可能なら兼務などさせていない、という声も聞かれます。

そこでおすすめしたいのが、経理をアウトソーシングする方法です。経理のアウトソーシングには、次のようなメリットがあります。

  • コストの削減
  • 専門性の高いサービス
  • 業務効率化
  • コア業務への集中
  • ミスや不正の防止

順に説明します。

コストの削減

経理部門をまるごと外部委託すれば、給与のほか、社会保険料や福利厚生費、教育訓練費など多くのコストが不要になります。

繁忙期のみ、一部業務のみ、といった依頼も可能で、必要な範囲で必要な時だけサービスを受ければ、無駄なコストが発生しません。

会社としては、勤怠管理・労務管理なども不要になります。社員同士や部門間の不仲など、人間関係に頭を悩ます必要もありません。

専門性の高いサービス

経理業務が担当から外れ、総務のみになれば、兼務していた人の負担はかなり軽減されます。総務業務に集中できれば、作業の効率化も叶います。

また、代行業者は最新のシステムやツールで業務を効率化させており、都度の費用負担なしでその恩恵を受けられます(初期費用としてシステム導入費用が必要なケースあり)。

コア業務への集中

アウトソーシングで定型業務や雑務が減らせれば、より高度な業務へのシフトも可能になります。

経営者が兼務していたなら、戦略的な経営判断に時間が使えるようになり、一社員であってもより経営に近い重要な業務に携われる可能性が生まれます。

ミスや不正の防止

代行業者には、ダブルチェック体制や複数人体制が整っているところも多いです。専門家によるチェックでミスが減らせるほか、日々の経理作業が正確に行われれば、税務申告もスムーズに行えます。

丸ごと外部委託してしまえば、社内の不正リスクはなくせます。強固なセキュリティ体制を取っている業者を選べば、業者による不正リスクも予防できます。

アウトソーシングは、経理だけでなく総務でも可能です。

ただ、総務には郵便物の受け取りや来客対応、急な文房具の購入や空調・照明の管理、各拠点をまとめた制服の管理など、雑務系の仕事も多いもの。

そういった仕事は、外部委託より社内でが行った方が早いでしょう。 総務をアウトソーシングする場合は、担当者が行っている業務と委託する範囲をより明確にして、重複やムダのないようにする必要があります。

総務・経理の兼務リスクもアウトソーシングで解決しよう

総務・経理の兼務リスクもアウトソーシングで解決しよう

総務と経理を1人に兼務させている中小企業は珍しくありません。ただし、表向きは支障がなくても従業員の負担が大きく、水面下で転職先を探しているようなおそれもあるので要注意です。

総務と経理の兼務には、コスト削減などのメリットもありますが、属人化やミス、不正など、致命的となり得るリスクも存在しています。把握して対策しておくことも必要です。

そこでリスク対策にもおすすめなのが、経理のアウトソーシングです。

当社「Bricks&UKアウトソーシング」では、一部業務の代行でも丸投げでも、個々の課題解決に合った方法で利用できます。業者選びにお悩みなら、1カ月のお試しも可能な当社まで、ぜひお気軽にご相談ください。

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