バックオフィス代行 vs 自社採用、コストや業務効率を徹底比較2026.02.24

総務や経理といったバックオフィスでは、業務が特定の担当者にしかできない「属人化」が起きているケースが少なくありません。それは、担当者が急に休んだり退職したりすれば、途端に業務がストップするリスクを抱えている状態です。
しかし、「バックオフィスに何人も置く余裕はない」「雇いたくても人が集まらない」という声もよく聞かれます。そこで選択肢に上がってくるのが、バックオフィスを代行会社に任せること。とはいえ、コストがかかるうえ、心配な点もありますよね。
そこで今回は、バックオフィスを自社雇用でまかなうことと、専門家に代行委託することの比較をしてみましょう。自社にどちらが合うのかを見極めてください。
【この記事の監修者】 株式会社Bricks&UK Outsourcing業務コンサルタント
経理の業務設計・運用に優れたコンサルタントが、効率的で正確な業務請負いをお約束します。
目次
経営に支障をきたす「終わらない事務作業」

一見すると「誰にでもできる単純な作業」が多いバックオフィス業務。ですが、毎日のタスクは多く、時間もかかります。1人などギリギリ人数で回す会社も多いですが、そこには大きなリスクも潜むので注意が必要です。
バックオフィス業務がコア業務を侵食
バックオフィス業務は、地道にコツコツ進める作業がほとんどです。売上が増えれば、その分だけ処理すべき伝票や請求書も増え、時間がかかります。
さらに、ちょっとしたミスでも対応には苦慮します。どこで間違えたかを探って修正するにも、手間や時間が取られます。
こうした作業に時間や意識を取られると、売上につながるコア業務がおろそかになりがち。事業の成長を妨げる形になってしまいます。
特定の担当者に依存する「属人化」の罠
バックオフィスでは、それぞれの業務担当が固定されがちな一面もあります。実際、「○○さんに聞かないとわからない」という、属人化の状態になっている会社も多いのではないでしょうか。
業務が回ればそれで問題がないようにも見えますが、当人にとっては「誰にも助けてもらえない」状況が続きます。日々の負担が重い責任となって大きくのしかかることも。
真面目で優秀な人ほど、1人で多くの業務を抱えることになりがちです。
突然の退職による業務ストップの危機

業務の属人化が進んだ状態だと、困るのが「突然の退職」です。ギリギリの人数で回していると、耐えかねて急に誰かが退職してしまうことも。
唯一わかるはずの人がいなくなれば、業務がストップします。資料が見当たらない、取引先からの問い合わせに答えられない、といった状態では、社外にも迷惑がかかり、自社の信用もダウンします。
さらに深刻なのが、お金の管理です。未入金や未収金を見逃せば、資金繰りはみるみる悪化し、経営を圧迫します。最悪の場合、数年来の横領などの社内不正が発覚することもあり得ます。
優秀な人材が「作業」に縛られるジレンマ
バックオフィスは、事業の土台を支える重要な業務です。とはいえ、優秀な社員が事務作業に忙殺され、売上や経営に直結する業務がおろそかになっているとしたら、見過すわけにはいきません。
「他の人でもできる作業」でなく本来の役割に集中できれば、新たな戦略、これまでにない企画を生み出す可能性も高いのです。まさに宝の持ち腐れと言えるでしょう。
必要な事務作業は確実に行いながらも、優秀な人材が能力や知識を存分に発揮できる環境。人手不足の時代だからこそ、その環境をいかに整えるかが重要になってきています。

直接雇用と代行サービスを徹底比較

バックオフィスの体制を整えようとするとき、まず考えるのは「不足分の人材を新たに雇うこと」かもしれません。
しかし現在では、「バックオフィスは社内で完結すべき」という考えは当たり前でなくなり、アウトソーシングを選ぶ企業も増えました。
直接雇用と代行サービスの利用、両者にどのような違いがあるのか比較していきましょう。
「固定費」か「変動費」か
自社で人を雇う場合、その費用は「固定費」です。仕事量が多い月も少ない月も、毎月決まった給料や社会保険料を支払わなければなりません。さらに、業務用のPCやデスクといった備品、消耗品の類も毎月かかります。
一方、代行サービスの場合は、多くが「変動費」です。契約期間や委託範囲は自社の都合に合わせることができ、売上や状況に応じた費用のコントロールが可能です。
毎月一定額が必ず出ていく雇用に対し、必要な分だけを支払う代行サービスには、無駄を省けるという大きなメリットがあります。
「教育の手間」か「即戦力の活用」か

人を雇う際、見落としがちなのが教育コストです。実務経験者を雇ったとしても、自社のやり方やルールを教える必要があり、多忙な中で教える人材と時間を創出せねばなりません。通常運転になるまで、生産性は一時的に低下します。
一方で代行サービスでは、バックオフィスのプロに自社の業務を引き継げます。作業スタッフの教育は代行業者の仕事であり、業務が滞りなく遂行できる体制に整えられているはずです。
バックオフィスの担い手を「時間とコストをかけて育てる」か、「完成された体制ごと活用する」。自社にとってメリットの大きい方を活用したいものです。
当社Bricks&UKアウトソーシングでは、請負開始前のヒアリングでクライアントそれぞれの事情をうかがい、状況に則した柔軟なサポートをしています。実際のお声もいただいているので、ぜひ参考にしてください。
「退職リスク」か「安定した業務品質」か

苦労して人を育てても、急な退職のリスクは常に潜んでいます。そうなれば業務は混乱、ゼロから採用、教育しなくてはなりません。条件に合った人材を雇うのも難しい上、雇った人材がすぐに辞めないという保証もなし。不毛な努力となる可能性も高いのが実状です。
一方、代行サービスの場合は「個人」でなく「組織」と契約します。作業スタッフが変更になろうと、業務品質を守るのは代行業者の仕事。自社の実務には影響しないはずです。
「突然の退職リスクに怯える」雇用に対し、「持続可能な業務基盤」を外部に維持できるのが、代行サービスの強みです。
バックオフィス代行のさらなるメリット

バックオフィス代行の利用価値は、コストや退職リスクといった「守り」の対策だけではありません。外部の専門家が関わることの大きなメリットについて、具体的に見ていきましょう。
「属人化」を解消する業務プロセスの標準化
代行を導入する際は、まず「今、誰が何をどのようにやっているか」を整理します。担当者の頭の中にしかなかった手順がマニュアル化され、他の誰でも行えるようになります。
自社で業務の棚卸しやマニュアル作成を行うのは大変ですが、代行サービスを導入すれば、無理のない形でスムーズに進められます。
プロによる正確な実務で「社内工数」を削減
専門家に任せれば、作業はより正確になります。自社で経験の少ないスタッフに教えながら進めるより、社内負担は大きく減らせます。
振込金額を間違える、請求書の送付もれなど、取引先に迷惑をかけるミスが防げれば、謝罪や再発防止などに多くの時間を奪われることもありません。
最新ツールの導入による「脱アナログ」の加速
バックオフィス代行の多くは、クラウドツールなどのIT活用に長けています。自社でまだ紙でのやり取りや手入力のExcel管理を続けている場合でも、委託をきっかけに無理なくデジタル化を進めることができます。
手作業や書類保管の手間がなくなるだけでなく、データを共有し、どこからでも最新の数字を確認できるようになります。デジタル化することは、結果的にコストの削減やセキュリティの強化にもつながります。
失敗しない「バックオフィス代行」の選び方

バックオフィス代行は、この先も長く付き合うパートナーです。料金の安さで選んでしまうと、自社での作業が残る、追加料金がかかって割高になる、レスポンスが遅くてイライラする、など本末転倒になりかねません。
自社のニーズに合うリーズナブルなサービスを見極めるため、3つのポイントを確認しておきましょう。
自社と同じ課題の解決実績はあるか
バックオフィスと一口に言っても複数の分野があり、代行業者によって得意分野は異なります。「どの職種に強いか」はもちろん、自社と同じ規模感や業界での実績があるかをまず確認してください。
自社に近い代行事例があれば、業界特有のルールや、発生しやすいミスなども把握している可能性大。そのため引き継ぎもしやすく、話が早いでしょう。一から説明する手間なくスムーズに実務を任せられます。
導入後の実務をスムーズに連携できるか
重要な業務を任せる相手として、やり取りがスムーズにできるかどうかも重要なポイントです。資料の受け渡し方法や連絡手段(自社が使っているチャットツールに対応可かなど)も確認しておきましょう。
また「担当者は1人かチーム制か」「担当は固定か」といった体制の確認も重要です。「誰に聞けばいいかからない」「窓口がコロコロ変わって話が通じない」といった状態では、業務に支障が出ます。
セキュリティ体制は万全で信頼できるか
バックオフィス業務では、従業員の個人情報や会社の財務状況など、機密性の高い情報を扱います。情報漏洩は、自社が損害を被り信頼を損なう重大なリスクです。しっかりしたセキュリティ対策を取っていることは、契約する上で大前提となります。
プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの認証を取得しているか、守秘義務契約(NDA)の内容は適切かなど、情報を預けるに値する管理体制が整っているかを必ず確認してください。
バックオフィス代行は成長への「投資」

バックオフィス代行の利用価値は、「人手不足の解消」だけにとどまりません。次のようなことも、あえて代行会社に委託することの大きなメリットです。
- 人材の入れ替わりに左右されない、安定した組織運営
- その道のプロによる、ミスのない正確な実務
- 脱アナログ化による、業務効率やセキュリティの強化
自社で人を雇い育てるのには、時間もコストもかかるうえ、退職などのリスクも伴います。バックオフィスの代行は、社員が本来の業務に集中し、成長していくための投資と考えるのがおすすめです。
自社に最適なパートナーを見極め、より強固な組織運営を目指しましょう。
