経理アウトソーシングの費用相場はいくら?料金に関する注意点も解説2024.10.01
人手不足の解消や生産性の向上、コストの削減を図るべく、経理をアウトソーシングする企業や個人事業主が増えています。
経理代行サービスを行う会社はいくつもありますが、気になるのはやはり料金のこと。特にコスト削減のために利用する場合、委託料が高額となっては意味がありません。
この記事では、経理代行サービスについて、経理業務を丸投げした場合や一部の業務を委託した場合の料金相場を紹介。経理代行の活用がおすすめのケースや委託先を選ぶ際の注意点も解説します。
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目次
アウトソーシングできる経理業務
経理代行には、次のような経理のほとんどの業務を委託することができます。
- 試算表作成
- 給与計算
- 年末調整
- 振込業務
- 請求書発行
- 売掛金、買掛金の管理
また、単にこれらの経理業務を代行するだけでなく、経理に関するコンサルティングなどを行う業者もあります。
経理アウトソーシングの委託先
経理代行を委託できる先には、大きく分けて次の3つの選択肢があります。
- 税理士事務所
- クラウドソーシングサービス
- 経理代行サービス会社
経理業務のうち給与計算のみであれば、社会保険労務士(社労士)事務所でも請け負っているところがあります。
ただし、社労士事務所の場合は、社会保険の手続きなど労務関連の業務とともに委託するのが一般的であり、税務関連の業務は資格外となります。
それぞれ大まかにメリット・デメリットを見ていきましょう。
税理士事務所
税理士事務所に依頼するメリットは、税務関連のことも一貫して頼めることです。
税務に直結する決算書の作成や税務申告、税務相談は税理士の独占業務であり、資格がないと請け負えません。
信頼性は高いですが、料金も高くなります。
クラウドソーシングサービス
クラウドソーシングサービスでは、「ランサーズ」や「クラウドワークス」といったネット上のサービスを利用して、経理代行を行う個人あるいは会社に業務を委託します。
ネットで取引が完結することから、3つの中で最も低コストでできる可能性があります。ただし、登録は誰でもできるため、信頼性や品質においては高低差が激しいのも特徴です。
特に個人の場合は、突然の体調不良で仕事が止まるなどのトラブル発生リスクもあります。
経理代行サービス会社
経理代行サービス会社に依頼するメリットは、税理士よりも安価で専門業務の委託ができることです。税務関連の業務についても、税理士事務所と提携して請け負うケースが多く見られます。
また、専門で経理代行を行っているためにレスポンスが早く、柔軟な対応が可能であるのも強みです。
ただし、料金や質の異なる数多くの業者が存在するため、信頼できる良質な業者を選ぶ必要があります。
経理代行をおすすめしたいケースとは
次のような課題・悩みがある場合、経理代行サービスの活用が解消につながる可能性が高く、おすすめです。
- 経理担当者の突然の退職で困っている
- 経理担当者の入れ変わりが激しく定着しない
- 社内に適任者がいない
- 経理を兼務しているため、コア業務に支障がある
- 専任の経理がおらず、正しい処理ができているか不安
- 残業が多く人件費がかさんでおり、コストを削減したい
- 経理部門のブラックボックス化、属人化を防ぎたい
- 事業展開を考えており、バックオフィスを効率化したい
少子高齢化により労働市場は売り手市場、終身雇用の慣例も薄れた今、「不満があれば我慢せず転職すればいい」「より好待遇の職場を選ぶべき」という考え方が若者を中心に浸透しています。
社内に優秀な人材を確保・維持するには時間も費用もかかりますし、個人のスキルや人間関係の問題なども生じがちです。その点、すでに存在する専門家集団に依頼すれば、社内の人間関係に影響することなく、教育の必要もありません。
経理代行の料金相場
経理をアウトソーシングしたら、費用はいくらになるのでしょうか。経理業務を丸投げする場合、一部の業務のみ委託する場合、それぞれの相場を見ていきます。
経理業務を丸投げする場合
記帳代行や給与計算など、経理業務をまるごと委託する場合、中小企業か大企業か、ひと月あたりの取引件数がどれくらいかなどによって料金が決まります。
そのため相場といっても幅広いですが、おおむね次のとおりです。
企業規模 | 料金相場 |
---|---|
個人事業主 | 月額2万円~5万円 |
中小企業 | 月額10万円~20万円 |
大企業 | 月額20万円~60万円 |
前年の売上や従業員の人数によって、相場より大幅に高くなることもあります。また、税務関連の業務を含める場合は、より高額となります。
記帳代行の料金相場
記帳代行の場合、仕訳数によって金額が決まる従量制を取っている業者がほとんどです。毎月の大まかな仕訳数から、1カ月あたりの料金を設定します。相場は次のとおりです。
仕訳数 | 月額料金相場 |
---|---|
1仕訳 | 50円~100円 |
~100仕訳 | 5,000円~10,000円 |
101~200仕訳 | 15,000円 |
201~300仕訳 | 20,000円 |
301~400仕訳 | 25,000円 |
401仕訳~ | 30,000円~ |
単価は安くても基本料金が別途設定されているなどするケースもあるため、契約時には見積もりを必ず取って確認してください。
5営業日、10営業日などの特急オプションや、証憑のファイリング、部門別の損益計算書作成などをオプションで申し込む形になっているケースも多いです。
その他、料金設定を時間制にしている業者もあります。
給与計算代行の料金相場
給与計算の業務を委託する場合、従業員の数による従量制となっているケースがほとんどです。相場は次のとおりです。
従業員数 | 月額料金相場 |
---|---|
~10人 | 10,000円~20,000円 |
20人~49人 | 20,000円~40,000円 |
50人~99人 | 40,000円~60,000円 |
100人 | 80,000円~100,000円 |
給与額の計算、社会保険料や各種税金の計算などが含まれるのが一般的です。年末調整については別料金となっているところがほとんどです。
タイムカードの集計や賞与計算、給与明細の封入や特別徴収の届出などには、それぞれにオプション料金が設定されているケースも多く見られます。また、フレックス制度、変形労働時間制やインセンティブの計算なども別料金となる傾向です。
また、数百人規模となると請け負える業者が少なく、年間契約がマストとなることもあるので確認が必要です。
決算業務代行の料金相場
決算業務の代行については、料金設定が資本金額で区分されているケースが多いです。
また、決算書の作成のみであれば1回あたり4~6万円ほどでも、税理士資格が必要な決算申告の代行も含めると15万円~30万円と高額になる傾向です。
その他経理業務の料金相場
経理業務は多岐にわたるため、何を委託するかもしっかり検討する必要があります。上記以外の代行料金の相場は次のとおりです。
代行業務の種類 | 相場 |
---|---|
振込代行 | 1件あたり500円、月10件で5,000円 |
請求書発行代行 | 1件あたり1,000円~1,500円 |
年末調整 | 従業員1人あたり1,000円~2,000円 |
資金繰り表の作成 | 5,000円~10,000円 |
たとえば年末調整の代行料金が1人あたり500円など低料金で表示されている場合、別途基本料金が必要となることが多いです。
そのため、個別の料金だけを見るのではなく、総額で見ることが必要です。
経理代行サービスを依頼するときの注意点
経理をアウトソーシングする前に、気を付けておきたいことを順に解説します。
数社で見積もりを取って比較する
経理代行と一口に言っても、その業務内容や料金設定は業者により異なります。自社で依頼する業務内容を明確にし、どれくらいになるかを見積もってもらいましょう。
たとえば「基本パック」「ベーシック」などのパック料金だけを比較しても、業務範囲は各社で異なります。プランの設定と少しでも異なれば、オプション料金を払うことになります。資本金や人数、給与体系などさまざまな事項でも料金が違ってくるので、見積もりと比較は必須です。
初期費用がかかることが多い
経理代行の費用には、契約するプランとは別に初期費用がかかるのが一般的です。これは、経理業務を引き継ぐために必要な、システムの確認や新たな管理システムへの移行などに伴う費用です。
そのため、契約の初月には月額の2倍程度の額が必要となります。
契約期間や支払い方法も要確認
経理のアウトソーシングでは、最低半年の契約継続を条件とするケースが多いです。「月額料金」で設定されているといっても月ごとの契約が可能とは限らないので注意してください。
また、支払いを前払いとしている業者も多いです。必須の契約期間や支払いの方法などもあらかじめ確認しておきましょう。
経理業務の見直しやも紙からの移行も必要
経理代行の依頼前には、自社内で経理業務の見直しをして、何をどこまで委託するかを決めたり、委託先に業務内容を伝えたりする必要があります。
また、紙ベースで業務を行ってきた場合、経理代行を頼むには会計ソフトの導入などの電子化が必須です。
その場合、導入に関する費用や、場合によっては業務フロー改善のコンサルティング料などが発生することがあります。
コンサルティングによって経理業務が整頓され、データで可視化もできれば、経営判断がしやすいなど大きなメリットが生まれます。将来の内製化もしやすくなります。
経理代行サービス料金の例
では、経理代行サービスの給与計算の料金例をいくつか見ていきましょう。執筆時点での料金例です。
代行業者 | 料金設定(月額) |
---|---|
A社 (経理代行サービス) | ・基本料金:5,000円(税別・以下同じ) ・100名まで:1人あたり500円 ・101名~300名:1人あたり400円 ・301名以上:1人あたり350円 ・初期導入費用:給与計算月額料金1カ月分 ・タイムカード集計:1人あたり1,000円~ ・給与明細の封入代行:実費 ※年末調整は応相談 |
B社 (税理士事務所) | ・1~5名:一律8,000円(税別・以下同じ) ・6名~20名:1人あたり1,500円 ※21名以上は別途見積もり ・指定クラウドソフト導入費用:1,500円 ・タイムカード集計:1人あたり600円 ・給与明細の封入代行:1人あたり50円 ・給与振込代行:1人あたり500円 ※年末調整は1人あたり2,000円~ (給与計算なしの場合は基本料金2万円~も必要) |
C社 (各種代行サービス) | ・基本料金:5名まで11,000円~(税込・以下同じ) 6人目以降1名ごとに1,100円~ ・勤怠集計:1人あたり550円~ ・振込データ作成:1人あたり110円~ ※年末調整は5名まで22,000円~ 6人目以降1名ごとに1,650円~ (給与計算なしの場合は別途相談) |
D社 (経理代行サービス) | ・基本料金:1人あたり3,300円(税込・以下同じ) ・1人あたり1,100円 ・初期設定料:1人あたり1,100円 ・給与明細の封入代行:1,100円 ・振込データ作成:3,300円 ※年末調整は1人あたり2,500円 (契約に応じて基本料金5,500円または11,000円が必要) |
E社 (税理士事務所系代行サービス) | ・基本料金:10,000円(税別・以下同じ) ・1名~30名:1人あたり700円 31名以降:1人あたり500円 ・初期設定費用:1人あたり1,000円 ・給与明細の封入代行:1人あたり50円 ・振込データ作成:30名まで3,000円 ※年末調整は1人あたり1,500円 |
上記のように、料金は各社それぞれ細かな部分で異なります。
たとえば税別・税抜き、「基本料金」や「初期費用」の掲載の有無、「基本料金」に何が含まれるのかについても各社バラバラですし、「~」という表記があるかないかで実際の金額は大きく異なってきます。
繰り返しになりますが、委託前に見積もりを取るなどして確認することをおすすめします。
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当社「Bricks&UKアウトソーシング」は、税理士法人を母体とし、従業員150名以下の中小企業、ベンチャー企業に特化した経理アウトソーシング会社です。
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