経理代行サービスと税理士って何が違うの?2021.12.15

経理アウトソーシングと税理士の違い

経理業務は煩雑なうえ、専門的な知識も必要です。

ノウハウが少ない立ち上げ時の会社などでは、苦労することも多いでしょう。

そこで近年では経理代行サービスを利用し、経理業務をアウトソーシングする会社も増えています。

経理代行を利用すれば経理のコストが削減できるうえ、本業に専念できるといった大きなメリットがあるのです。

しかし経理代行の導入を検討してはいるものの、経理代行がどのようなサービスであり、税理士と何が違うのかよく知らないという人もいるのではないでしょうか。

そこでこちらの記事では、経理代行サービスの内容やメリット・デメリット、税理士との違いや費用相場まで詳しく解説します。 経理代行についてよく理解し、上手く活用することで、ぜひ自社の経営に役立ててください。

経理代行は、経理に関する業務全般を外注するサービス

経理代行とは、経理業務全般を外部に依頼するアウトソーシングサービスのことです。
経理代行の具体的なサービス内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 記帳業務
  • 売掛金・買掛金管理業務
  • 従業員の給料計算
  • 請求書発行
  • 振込代行

経理代行は単に記帳作業を代行するだけでなく、領収書や伝票の管理、給与計算、そして売上金・買掛金等の入出金管理や支払いまで一括で任せることができます。

また、税理士事務所を併設している経理代行会社の場合、同じグループ内で経理業務から、決算申告にかかわる税務業務までを依頼することも可能です。

記帳代行は、経理代行の一部のサービスであり、より広い範囲をアウトソーシングしたいと考えると「記帳代行」ではなく「経理代行」を請け負う会社に依頼をすることをお勧めします。

経理代行サービスに経理業務を外注するメリット

メリットをまとめると、以下のとおりです。

  • 事務効率が向上する
  • 精度の高い経理業務で安心できる
  • 本業にリソースを割ける
  • 人件費を削減できる

まず経理代行を導入すれば自社で経理業務をおこなう必要がなくなるため、事務効率は格段に上がります

また経理代行サービス業者は経理を専門に取り扱っている会社であり、正確で精度の高い経理業務をおこなってくれるので、安心して任せることができるでしょう。

さらにこれまで経理に割いていた手間やコストを他に回すことができ、本業により多くのリソースを割けます。

そして経理代行サービスによって自社で経理をする必要がなくなれば、そのぶんの人件費を削減することもできます

このように経理代行サービスを導入することで、さまざまなメリットがあるのです。

経理代行サービスに経理業務を外注するデメリット

経理代行サービスにはメリットだけでなくいくつかのデメリットもあります。
たとえば以下のようなデメリットが考えられるでしょう。

  • 料金が高い
  • 社内にノウハウが蓄積しない
  • 情報漏えいの危険

依頼する業者や業務の内容次第では料金が高額になるため、場合によっては自社でおこなうよりコストがかかることもあります。

またアウトソーシングしてしまうと自社にノウハウが蓄積しないので、経理業務に関しては外部に頼らざるを得ません。
あとは経理代行業者には請求書や従業員の給与などの重要な情報を預けるため、情報漏えいの危険もあります。 経理代行を導入する際は、これらのデメリットがあることも念頭において検討してください。

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税理士は、記帳代行から税務申告の代行までを行う

経理代行と税理士の違いは、税務代行ができるかどうかという点です。

税務代行とは帳簿をもとにした決算書の作成や、税務申告に関する手続きを代行することですが、このような税務申告の代行業務は税理士の独占業務にあたります。

そのため税務申告は経理代行業者にアウトソーシングすることができません。また節税などのアドバイスを受けられるのも税理士ならではのサービスですが、一方で経理代行業者のように振込業務や請求業務まで対応している税理士事務所は非常に少ないです。

ただし税理士事務所や税理士法人がおこなっている経理代行サービスもごく少数ですがあります。この場合は一般的な経理代行業務に加えて決算書作成から税務申告まで、すべてアウトソーシング可能です。

以上からわかるとおり、経理代行と税理士は業務領域が異なります。

そのため税理士と顧問契約をしていても、別途経理代行を依頼するという選択肢もあるでしょう。

両者のサービス内容をよく理解したうえで、うまく使い分けるようにしてください。

費用相場の比較

経理代行サービス、税理士事務所の費用相場を紹介します。
ただしいずれの場合であっても業者・事務所によってサービスの内容に違いがあるため、費用にもバラつきがあります。 そのためこちらで紹介する相場は、一つの目安として参考にしてください。

経理代行サービスの費用相場

記帳代行のみのような最低限の依頼なら1~2万円、経理全般を依頼するなら5~10万円程度が大体の月にかかる費用相場です。
経理代行サービスは月額料金制であり、依頼する業務量に応じて料金が決まるような仕組みになっています。 記帳代行のみであれば月額2万円程度に抑えられますが、多くの経理代行業者は経理全般をパックにしており、その場合3万円以上になることが多いです。

税理士事務所の費用相場

税理士事務所に税務申告等を含めた経理代行を依頼した場合の費用相場は、月額20~25万円程度です。

まず税理士事務所に依頼する場合でも独占業務以外の経理業務に関しては、経理代行サービスの費用相場と特に変わりません。

一方税理士の独占業務に関しては、税務書類の作成で2~5万円程度、年末調整で一人あたり2~3千円、税務申告で15万円程度かかります。

このように税務申告等を含めた経理代行を税理士事務所に依頼する場合、経理代行業者と比べてもかなり高額です。

どちらを選んだ方がよいかは各会社の状況によって異なるので、自社に必要なサービスが何なのかをよく考えてみてください。

経理代行を導入する際の注意点

経理代行会社の見極め方

経理代行を導入する際の注意点について、解説します。
どれも見落としがちなことなので、しっかり頭に入れておいてください。

対応業務範囲を確認する

経理代行と一口にいってもサービス内容はさまざまであるため、自社に最適なサービスを選ぶためには対応業務範囲をきちんと確認しましょう。

対応業務によって料金にも差が出ますし、税理士事務所がおこなっている経理代行サービスであれば税務代行の依頼まで可能です。

事前に対応業務範囲を確認していないと、依頼をした後に必要としていたサービスが受けられなかったということにもなりかねません。 そのためまずは自社に必要なサービスをあらかじめ考えておき、そのうえで最適なサービスを提供してくれる業者を選ぶようにしてください。

社労士、税理士との連携も視野にいれてサービスを行ってくれるか

経理業務には給与計算や決算申告などが含まれるため、社会保険・税務といった分野における知識の有無も重要な要素です。

そのため経理代行を依頼する場合には、社労士、税理士との連携も視野に入れたサービスであることが重要でしょう。 

また業者によっては契約する税理士を連携している事務所に指定してくることがあり、現在契約している税理士を変更しなければならない場合もあります。 経理代行を導入した後も今の税理士との契約を継続したいのであれば、このような点も事前にしっかり確認してください。

引き継ぎがスムーズにできるか

経理代行を依頼するときは自社でおこなっている経理業務を引き継ぐため、スムーズに引き継ぎできないとかえって手間がかかります。

そのため引き継ぎがスムーズにできるかどうかも重要な点でしょう。

引き継ぎがスムーズにできるためにはまず、できるだけ実績のある業者を選ぶことです。

また担当者との相性も大事であり、きちんとしたコミュニケーションによって円滑な引き継ぎがおこなえます。 このように業者としての実績があることを前提として、良好な関係を築くことができ、丁寧な対応をしてくれる業者を選んでください。

まとめ

経理代行サービスは、人材不足に悩む企業の手助けになる有効なサービスです。

記帳代行で事務効率を向上させて本業にリソースを割くことができるうえ、人件費削減効果も期待できます。

もっとも税務代行に関しては税理士事務所でないとおこなえないので、経理代行と税理士はうまく使い分けるようにしましょう。

記帳代行・経理代行・税理士それぞれの違いをしっかり理解したうえで、自社に必要なサービスがなにかを吟味し、企業経営にうまく活用してください。

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